2023.11.11
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「アルブミン値」が低いと言われたら・・・ | 今日から意識したいこと

「アルブミン値」とは血清中のタンパク質の濃度を測る数値で、健康診断では栄養状態を判断する基準として採血項目に含まれています。

この記事では、アルブミン値が低いと現れる症状や予想される疾患のほか、低かった場合に意識すべき食事での工夫について解説します。

アルブミンとは

私たちの血液中には100種以上のタンパク質が存在しています。それらのタンパク質をまとめて総タンパク(TP)と呼びます。
今回焦点を充てるアルブミンは、総タンパクのうち、7割ほどを占めるタンパク質のことで、栄養状態の指標として利用されます。

アルブミンの主な働き

アルブミンの働きは大きく次の2通りです。

  • 血中の浸透圧維持
  • 物質の運搬

アルブミンは血液中の水分を保持し、体液の濃度を調整しています。血中の水分を保持できなくなると、浮腫みを起こします。


また、アルブミンはさまざまな物質と結合する力が強い血漿タンパク質です。そのため、血管内の亜鉛やカルシウム、酵素、脂肪酸、薬など多様な体内の物質とくっついて血液中に運搬します。他にも毒素などとも結合し、中和する作用もあることから、アルブミンは非常に重要な役割を担っていることがわかります。

アルブミン値の見方

採血結果に出ているアルブミンは、約2,3週間前の栄養状態になります。よく健康診断の2,3日前から食事を控えて、良い診断結果にしようとする方もいますが、アルブミンは約2,3週間前の栄養状態を表しますので、前日に良質なタンパク質を摂ろうとしても採血結果に反映されません。


アルブミンの正常値は4.0g/dl以上ですが、健康障害が起き始める3.5g/dl以下になると後述する「低栄養」と診断されます。

アルブミン値が低いときの症状

アルブミン値が低いと、体にさまざまな症状が現れます。ここでは代表的な症状が浮腫みです。

浮腫みが出るのは、始めに血液中の浸透圧が低下します。血管内外の浸透圧のバランスを取ろうとし、血液内の水が血液外へ移動するため、血液外の組織に水がたまり、浮腫みを生じやすくなるのです。

アルブミンが低下すると、亜鉛や鉄、カルシウムなどの微量元素や、酵素、ホルモン、脂肪酸、薬などと結合されずに、それぞれの必要な部位へ運搬する能力が低下します。運搬する能力が低下すると、その部位に必要な物質を送ることができません。内分泌や代謝などのバランスが崩れ、総合的に体の調節機能や免疫能力が低下してしまいます。

アルブミン値が低いと疑われる疾患

アルブミン値が低くなると、考えられる疾患について解説します。

低栄養

「低栄養」という言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。単に栄養が足りていない状態と捉えられそうですが、「低栄養」はアルブミン値で判定されます。
タンパク質の摂取不足や、消化吸収障害により、アルブミン値が低下してしまいます。特に食事量が減ってしまう高齢者に多いのが、タンパク質の摂取不足や消化吸収障害です。
冒頭で述べたようにアルブミンの正常値は4.0g/dl以上ですが、3.5g/dl以下の数値「低栄養」と判定されます。

低栄養になると、筋肉量も低下し骨折リスクが高くなります。アルブミン値が低いことで、必要な物質も運搬されづらくなるため、免疫力が低下し感染症の発症にもつながります。

ネフローゼ症候群

ネフローゼ症候群とは、本来必要なタンパク質やアルブミンが尿と一緒に出てしまう疾患です。

ネフローゼ症候群は、腎臓にある血液中の老廃物をろ過している糸球体が正常に働かなくなり、必要なタンパク質もろ過され、尿に排出されてしまいます。アルブミン値が3.0g/dl以下であり、尿タンパクが3.5g/dl以上であると診断されます。ネフローゼ症候群の症状は、尿にタンパク質が出てしまうため、浮腫みや尿の泡立ちなどです。

肝硬変

肝臓機能が何らかの原因で働かなくなると、アルブミンが生成されず、アルブミン値が低下します。肝臓機能が低下する代表的な病気は肝硬変です。

肝硬変は、肝臓細胞が壊れて肝臓が硬化してしまい、肝臓機能が正常に働かなくなった疾患です。アルブミン値が3.5g/dl以下のときは、肝臓機能低下を疑ってみてください。

肝硬変により肝臓機能が低下すると、疲れやすくなったり、食欲不振になったり、体重が減少したりなどの症状や合併症を引き起こします。合併症には、黄疸や腹水、浮腫み、肝性脳症、吐血などがあります。症状がある代償期の肝硬変と、症状が出ない非代償期の肝硬変があり、放置すると慢性化することがあるので、注意が必要です。

炎症性疾患

けがややけどをしたり、手術を行ったりと、炎症を起こすと、その部位を治そうとタンパク質消費が増加するのが、炎症性疾患です。アルブミンも使われるため、アルブミン値も低くなります。

アルブミン値が低かった場合に意識すべき食生活

高齢期になると食が補足なり、アルブミン値も低下してしまいます。高齢期ほど食事摂取が重要です。ここでは、アルブミン値が低かった場合に意識すべき食生活について、解説します。

タンパク質不足にならないように推奨量を摂取する

アルブミン値を低下させないためには、タンパク質不足にならないように摂取することが大切です。

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」によると、1日に必要なタンパク質の推奨量は、成人男性が65g、成人女性で50gです。おおよそ体重1kgあたり1.0〜1.2gのタンパク質を摂取する必要があり、意識しないと推奨量近く摂取することが難しくなります。

タンパク質は消化や吸収に時間がかかるため、一度に大量にタンパク質を摂取すると、腎臓に負担をかけてしまいます。そこで、次のことに取り組んでみてください。無理をせず、食事や間食時に少量ずつとり入れると負担が軽減され摂取しやすくなります。

  • 毎食、肉・魚・卵・乳製品・大豆製品のタンパク源になるものを1品取り入れる
  • 間食には、タンパク源になる乳製品を使用したプリンやミルクアイス、ヨーグルトなどを取り入れる
  • 麺料理の1品料理の場合、タンパク質不足になりやすいため、できるだけ主食と主菜と副菜の組み合わせになるような食事にする

短期間で急速にアルブミン値が低下した場合には、肝硬変やネフローゼ症候群が考えられます。タンパク源の肉や魚をたくさん食べればいいわけではありません。まず病院を受診し、医師に相談してください。

サプリメントを活用する

食事からタンパク質を摂ることが理想ですが、忙しい、時間がないなどで食べるのが難しい場合は、サプリメントを活用するのも一つの方法です。タンパク質を吸収する目的でサプリメントを選ぶなら、ペプチドのサプリメントをおすすめします。

ペプチドとは、たんぱく質が消化酵素で分解され、アミノ酸が数個固まった状態のこと。アミノ酸を2~3個まとめて取り込めるため、効率的に体内に補給することができます。肉や魚のたんぱく質からアミノ酸を摂ろうとすると、消化され吸収されるまでに3~4時間かかりますが、ペプチドでは、既に分解された状態ですので30~40分で吸収されていきます。

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低アルブミンを予防し健康的な生活を

高齢期を健康的に過ごすには、低アルブミンにならないように予防することが大切です。アルブミンについてや、低アルブミンの症状や疾患、予防対策をまとめました。

  • アルブミンは栄養状態の指標である
  • アルブミンの代表的な役割は、血中の浸透圧維持と物質運搬である
  • アルブミンが低いと、低栄養やネフローゼ症候群、肝硬変、肝機能障害、炎症性疾患が疑われる
  • 低アルブミンを予防するためには、必要推奨量のタンパク質を摂取する

アルブミン値が低くならないように、積極的にタンパク質を摂取することを意識しましょう。難しければ、補助的にサプリメントを活用してみてください。

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