
寒さが厳しくなる冬、高齢者にとって特に注意が必要なのが「低体温」です。
外出を控えていても、実は家の中で低体温になるケースが少なくありません。
低体温とは深部体温(身体内部の体温)が低い状態のことで、体温計での測定で35.5~36.0以下だと低体温の多能性があります。
体温が下がることで免疫力が落ち、風邪や肺炎、さらには心筋梗塞などのリスクが高まります。また、内臓が冷えることで、消化不良や食欲不振になり、様々な健康被害が生じます。
では、なぜ高齢者は低体温になりやすいのでしょうか?
この記事では、原因から日常でできる対策、そして健康を支える「タンパク質補給」の重要性まで、わかりやすく紹介します。
なぜ高齢者が低体温になりやすいのか、4つの理由をご紹介します。
人は年齢を重ねると、筋肉量が減少し、体内で熱を生み出す力が弱まります。
また、自律神経の働きも鈍くなり、外気温の変化に素早く対応できません。
その結果、寒さを感じても体が十分に温まらず、深部体温が徐々に下がってしまいます。
高齢になると皮膚の温度センサーの感度が低下します。
「寒い」と感じにくいため、暖房をつけるのが遅れたり、薄着のまま過ごしてしまうことも
この小さな油断が低体温を招くきっかけになります。
光熱費の節約意識や電気代への不安から、つい暖房の使用を控えてしまうケースが少なくありません。
加えて、一人暮らしの高齢者は周囲の目が届きにくく、本人が気づかないまま体温を下げてしまう危険が高まります。
タンパク質の不足、貧血、甲状腺機能低下症(血中の甲状腺ホルモン作用が必要よりも低下した状態)といった要因も低体温につながることがあります。
特に冬は食欲が落ちやすく、体を温めるエネルギーであるタンパク質が不足しやすい時期でもあります。
体温計だけでなく、普段の行動や表情の変化からも低体温のサインを察知することが大切です。
初期症状では「手足の冷え」や「軽い震え」などが現れます。
体温が35℃を下回ると、体の動きが鈍くなり、顔色が悪く、反応が遅れるようになります。
さらに進行すると「意識がもうろうとする」「言葉が出にくい」など、危険な状態に。
家族や介護者は「寒がらなくなった」「ぼーっとしている」などの変化にも注意しましょう。
発見が遅れると、救急搬送が必要になることもあります。
寒さを感じなくても、手足の冷えは体からのSOSです。早めに温かい環境を整えましょう。

日常のちょっとした工夫で、低体温はしっかり予防できます。5つの習慣を実践し、冬でも元気に過ごしましょう。
冬の室温は20〜23℃、湿度は40〜60%が理想的です。
暖房を使う際は加湿器や濡れタオルを併用し、乾燥を防ぎましょう。
また、トイレや浴室などの寒暖差が大きい場所は、ヒートショックの危険があるため、あらかじめ暖めておくことが大切です。
筋肉は体温を生み出す「天然のヒーター」といわれ、体を温めるうえで欠かせない存在です。 ところが加齢とともに食事量が減り、筋肉を作るためのタンパク質が不足しやすくなります。
タンパク質が足りない状態が続くと、熱をつくる力が弱まり、低体温につながりやすくなるため、日々の食事で意識的に補うことが大切です。
肉や魚、卵、大豆製品などをバランスよく取り入れ、体の内側から温まりやすい状態を整えましょう。
また、温かいスープや煮込み料理など、消化しやすく体を温めるメニューと組み合わせると、より無理なくタンパク質を摂る習慣が続けやすくなります。
毎回の食事でタンパク質が摂りにくい場合は、サプリメントを活用するのも一つの方法です。なかでもオススメは、タンパク質を分解して体に吸収しやすくしたペプチドのサプリメントです。

ペプチドとは、タンパク質が消化酵素で分解され、アミノ酸が数個固まった状態のこと。アミノ酸を2~3個まとめて取り込めるため、効率的に体内に補給することができます。肉や魚のタンパク質からアミノ酸を摂ろうとすると、消化され吸収されるまでに3~4時間かかりますが、ペプチドでは、既に分解された状態ですので30~40分で吸収されていきます。

鈴廣かまぼこ開発の「サカナのちから S forシニア」は、小粒で飲みやすく手軽にタンパク質補給を行えるサプリメントです。
白身魚のすり身を酵素分解した「魚肉ペプチド」が主原料で、スピーディーに効率良く20種のアミノ酸を取り込むことができます。
筋肉を動かすことで体が自然に温まり、血流が良くなります。
たとえば朝起きたら“その場足踏み”を30回、テレビを見ながら軽く腕を回すのも効果的です。
外出できない日は、椅子に座ったままつま先を上げ下げする「足首体操」もおすすめ。
運動は無理のない範囲で、毎日少しずつ継続することが大切です。
入浴はシャワーだけで済ませずに、湯船に浸かることで体の芯から温まることができます。
38〜40℃のぬるめのお湯に10〜15分ほど入るのがベスト。(ただし心疾患・高血圧などがある人は医師の指示の範囲で)
急激な温度変化を避けるため、入浴前に浴室を暖め、脱衣所にも小型ヒーターを置きましょう。
入浴後は保湿を忘れずに。乾燥は血行を悪くし、低体温を招く一因になります。
寝室が冷えると、深い眠りが妨げられ、翌日の体調にも影響します。
就寝前に部屋を軽く暖め、布団に湯たんぽを入れるなど、温かい環境を作りましょう。
ただし、電気毛布を使う場合は、低温やけどに注意。タイマー機能を活用するのが安心です。
快適な睡眠は、免疫力を高める最高の低体温予防策です。
低体温は自覚しにくいからこそ、日常の中で自分自身を気づかってあげることが大切です。
毎日ほんの少し意識するだけで、体調の変化に早く気づけるようになります。
冬の時期は室温や体温をこまめに確認する習慣をつけましょう。特に朝と夜は体温が下がりやすいため、手の冷え具合や体温計の数字をチェックしておくと安心です。「部屋が少し冷えるな」と感じたら、我慢せず暖房をつけたり、衣類を一枚追加するようにしてみてください。
また、食欲の変化や眠りの質、なんとなく気分が沈むといった“いつもと違う感覚”にも目を向けましょう。こうした小さな変化は、体が冷えているサインであることもあります。寒さが続く日は無理をせず、早めに体を温めたり、休憩をとることが大切です。
服装についても、自分なりの工夫が役立ちます。首や手首、足首など冷えやすい部分を温めたり、厚着ではなく重ね着を意識することで、体全体が温まりやすくなります。時間に余裕があるときには、部屋の温度を確認し、快適な状態を保つように心がけましょう。
そして、体調が「少しおかしい」と感じたときは、我慢しないことが一番です。手足の冷えがいつまでも戻らなかったり、体温が低い状態が続いたり、いつもより動作が遅く感じるときは、遠慮せずかかりつけ医や身近な人に相談してください。早めに行動することで、重い症状を防ぐことにつながります。
自分の体に日々やさしく向き合いながら、寒い季節を安心して過ごしていきましょう。

低体温は、単なる「寒がり」ではなく、命に関わる健康リスクです。
しかし、日常の工夫で十分に予防できます。
・室内を快適な温度に保つ
・たんぱく質をしっかり摂る
・適度な運動と入浴で血流を促す
・睡眠環境を整える
これらを意識することで、寒い季節も安心して過ごせます。
冬の寒さは厳しくても、体と心はあたたかく。
毎日の健康習慣で、あなたも、ご家族も、笑顔で春を迎えましょう。