厳しい暑さと高い湿度により、体調を崩しやすい高齢者も多いでしょう。体力の低下や水分を保持する力の衰えによって、熱中症や倦怠感などを引き起こしやすいため、油断は禁物です。気温が少し下がったからといって安心せず、体調管理を意識することが必要です。
本記事では、高齢者が厳しい暑さを乗り切るための生活習慣、さらに無理なく取り入れられる運動法について解説します。また、健康を維持するうえで欠かせない栄養素の摂り方についても紹介します。ぜひ、参考にしてください。
高齢者にとって残暑を甘く見ない方が良い理由があります。ここでは、残暑が危険な理由について、2点を中心に解説していきます。
高齢になると、気温や温度に対する感覚が弱まることから、室内にいても熱中症になることがあります。通常であれば、脳が暑さを感じたときに血流量を増やしたり、汗を出したりして体温を調整します。しかし、高齢者の場合は調整がうまくいかずに体温が上昇して、熱中症になるリスクが高まるのです。
残暑特有のリスクとして挙げられるのが、「暑さ疲れ」と「エアコンの不使用」です。昨今は6月下旬から9月にかけて、長期にわたり厳しい暑さが続きます。暑い期間が長引くことで、体温の調整が追いつかず、熱中症などの健康被害をもたらす可能性があるのです。
また、多くの高齢者がエアコンを使用しないのも熱中症リスクのひとつとして考えられます。屋内にいるからといってエアコンを使用しないまま過ごしていて、気づかない間に熱中症になっていたというケースも少なくありません。
高齢者が残暑を乗り切るためには、日頃から生活習慣を意識することが大切です。
ここでは、以下について見ていきましょう。
● 水分補給を工夫する
● 栄養バランスを意識した食事をとる
● 飲食以外の生活習慣
日頃から水分補給に工夫することが大切です。ここでは、「水分摂取のタイミング」「経口補水液の摂取」について見ていきましょう。
こまめな水分補給を意識することが大切です。喉が渇いたと感じたときにはすでに脱水症状の予兆が出ているサインなので、喉が渇き切るまえに水分を補給しましょう。
経口補水液やお茶を使い分けて水分補給することも大切です。麦茶はミネラル豊富な大麦が原料なので、日常的な水分補給におすすめです。また、経口補水液は体内に素早く吸収されるといった性質があるので、運動後の水分補給として活用するといいでしょう。
水分補給のほかに、栄養バランスを意識した食事にも気をつけることが大切です。とくに、タンパク質やビタミン、ミネラルは意識的に摂取しましょう。
先述の通り、麦茶はミネラルが含まれた大麦が原料であり、水分補給に併せてミネラルも摂取できます。汗をかくことで ナトリウム・カリウム・マグネシウム・カルシウム などのミネラルが失われます。ミネラルが不足してくると、脱水・倦怠感・頭痛などの症状が出てくることがあります。
また、タンパク質は筋肉の基となる大切な栄養素です。タンパク質が不足すると筋肉量が減り、基礎代謝が下がることで疲れやく体温調節もしにくくなるでしょう。筋肉が落ちるとさらに夏バテを悪化させるため、筋肉維持のためにタンパク質は必須です。積極的にタンパク質を摂取することをおすすめします。
そのほか、ビタミンCは抗酸化作用があり、炎症を軽減してくれる役割があります。ビタミンCを多く含むなどの野菜スープなどを意識して食べるようにするとビタミンと水分補給ができるでしょう。
食欲不振で食べる量が減ったり、より効率よく栄養補給したい方は、サプリメントを活用するのもよいでしょう。
前述したとおり、タンパク質は私たちの身体にとって大切な栄養素です。タンパク質を効率よく補給できるサプリメントとして、ペプチドのサプリメントがオススメです。
鈴廣かまぼこ開発の「サカナのちからS」は、天然の白身魚でつくられたサプリメントです。
魚肉たんぱくを酵素で分解した「魚肉ペプチド」でできており、アミノ酸20種を素早く効率良く体内に補給することができます。
免疫力を向上させる役割があるビタミンCは、パプリカ、オクラ、トマト、ゴーヤやキウイフルーツなどに多く含まれています。また、ウナギや豚肉は疲労回復効果のあるビタミンB1が含まれているので、積極的に摂取しましょう。
ここでは、飲食以外で工夫したほうがいい生活習慣を見ていきましょう。
熱中症や健康被害をもたらさないためにも、日頃から室内を適温に調整することが大切です。9月に入ったからといってエアコンを使用しないといった人も多いでしょう。しかし、昨今は9月でも厳しい暑さがつづいており、自分が感じているよりも体温が上昇しているケースも珍しくありません。
意識的にエアコンを使用して、室温を調整することをおすすめします。
睡眠不足によって熱中症リスクが高まるといわれています。睡眠時間が短い場合、翌日に体を動かすと体温が上昇しやすくなる可能性が高く、熱中症などの健康被害を引き起こすことがあります。
寝ているときは大量の汗をかいているので、気づかない間に脱水状態になっていることがあります。そのため、寝る前に十分な水分を摂るようにしましょう。
ここでは、暑さが厳しい残暑でも高齢者が安全におこなえる運動法を紹介します。
屋内でできる軽い運動としておすすめなのが、「グーパー運動」です。両手を前に伸ばして、手をグーパーと交互に繰り返して動かします。握力を維持できるだけでなく、関節を動かせるといったメリットがあります。
椅子に座ったまま、大きく深呼吸をして首を左右前後に動かすのもおすすめです。さらに、肩を上にすくめるように上下を繰り返すストレッチも効果的です。
その場で足踏みをするのもおすすめです。段差などを使った方法もありますが、つまずく危険性があるので、あえて段差を使用せずにその場で足踏みをしましょう。
外の空気を吸うことも大切なので、早朝や夕方など、暑さが引いてからウォーキングするのもおすすめです。ただし、日によっては夕方でも気温が高い場合があるので、そういった場合は無理に外に出る必要はありません。
ラジオ体操や太極拳で体を動かすのもいいでしょう。太極拳はラジオ体操を上回る筋肉活動量といわれており、短時間で効率的に体を動かすことが可能です。
いかがでしたでしょうか。今回は「高齢者が残暑を乗り切る生活習慣」をテーマに、熱中症にならないための工夫や、室内でできるトレーニング方法などを紹介しました。
気づかない間に体温が上昇して熱中症になることも少なくありません。9月に入ったからといってエアコンを使用しないで過ごしている人もいるでしょう。しかし、日頃から意識的に室温を調整して、快適な空間をつくることが大切です。
また、タンパク質やビタミン、ミネラルが含まれた食事を積極的に摂取することもおすすめです。食事からの摂取が難しい場合はサプリメントなどを活用するのもいいでしょう。