2023.07.01
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高齢者が筋肉を落とさないために | 筋肉維持のための手軽な運動

年とともに、体には様々な不具合が出てきます。特に実感しやすいのが、体力の低下ですよね。
体力低下の原因の一つは、「筋肉量の減少」です。
しかし、この筋肉量の減少は、対策を立てることで防ぐことができます。
今回は、高齢者の方でもできる、筋肉を維持するための運動や生活習慣を紹介していきます。

筋肉量の低下による体への影響

筋肉量は20代をピークに徐々に低下していきますが、高齢者になるとその減少率が顕著になり、徐々に日常生活にも影響を及ぼすようになります。

廃用性筋委縮

体は動かさなければ、備わっている機能は徐々に衰えていきます。
特に筋肉は、使わなければ必要ないと判断され、自然と委縮し衰えていくのです。これを「廃用性萎縮(はいようせいいしゅく)」といいます。
例えば、骨折によって長期間ギプス固定された状態が続くと、筋肉を動かすことができないため硬く細くなってしまいます。これが廃用性委縮です。
これは極端な例ですが、体を動かさないことによって、筋肉量が減り、筋力が低下する最も代表的な例です。

サルコペニアとロコモティブシンドローム

加齢による筋肉量の減少により、身体機能が低下した状態のことを「サルコペニア」といいます。サルコペニアは国際疾病分類に登録されており、疾患に位置付けられています。

サルコペニアに関連して起こるものに、「ロコモティブシンドローム」があります。ロコモティブシンドローム(Locomotive syndrome:通称ロコモ)は、“運動器症候群”とも呼ばれます。
ロコモは筋肉が衰えることによって、筋肉だけでなく、骨や関節などの運動器の機能が低下することによって、“自立した”日常生活を送ることができなくなり、介護が必要となるリスクが高くなる状態のことをいいます。
例えば、ロコモにより立って歩くことが困難になると、トイレに行けなくなる、衣服の着脱が困難になるなどの日常生活レベルを大きく低下させます。また、痛みによって動きたくないといったメンタル面にも大きな影響を及ぼし、動かないから痛みを出す→痛むから動かないという悪循環を引き起こします。

最終的には認知症を誘発する恐れもあり、ロコモによって寝たきり状態や介護が必要な状態になるリスクが高まるのです。
サルコペニアやロコモティブシンドロームを防ぐためには、運動によって筋肉を鍛えるほかありません。
筋力が向上すれば関節にかかる負担も軽減しますし、運動によって骨も強くなります。また、運動を始める時期が早ければ早いほど、予防の効果は高いといえるでしょう。

運動による効果

筋肉を落とさないためには運動が必要です。筋肉は負荷をかけ、ストレスを与えないと成長しないからです。
そのほかにも運動にはよい効果がたくさんあります。
運動を行うと筋肉の毛細血管が発達し、体の隅々まで血液を届けることができるようになります。血流量が増えることで、疲労物質の除去を促し、疲労回復を速めることができるのです。
立ちっぱなしや座りっぱなしなど、同じ姿勢を続けることによって起こる筋肉の緊張(張り)は血流量の低下によって起こりますが、そのままにしておくと体のだるさや痛みに繋がってきます。
そんな体の状態のときこそ、軽い運動で筋肉を動かし血流量を増やすとよいのです。

血流量の増加や、体を大きく動かすことで柔軟性や心肺機能も向上します。体を大きく動かせるようになったり、疲れにくくなるなど、運動には身体能力を維持向上させ、健康維持向上に加え日常生活を楽にする効果があるのです。

健康維持に効果的なおすすめの運動

では、どのような運動をすればよいのでしょうか。今回は高齢者のような低体力の方でも簡単に取り組める運動を紹介します。

手軽に取り組める有酸素運動

有酸素運動は手軽に始められる運動です。ウォーキングやジョギング、水泳、登山、エアロビクスなど、低負荷で長時間続けられる運動が有酸素運動にあたります。
有酸素運動の特徴は、体に大きな負荷がかからず、エネルギーを消費する量が多いということ。脂肪燃焼効果が高く、体重を落とすのに適した運動です。

高齢者のような低体力の方の場合、大きな負荷は筋肉や関節を痛めるリスクも高くなります。ウォーキングのような手軽なものであれば、筋肉を維持しつつ、体脂肪を減らし関節にかかる負担を減らすことにもつながります。
有酸素運動は、環境にも影響されることがあります。屋外で行う場合、「雨が降っている」「外は暑い・寒い」といって、億劫になることもありますよね。でも大丈夫。家の中でもできる有酸素運動を紹介します。

踏み台昇降

台への上り下りを一定時間繰り返す「踏み台昇降」は、屋内でもできる有酸素運動の代表的な種目です。
慣れてきたら、上り下りのリズムを速くしたり、台の高さをだんだん高くしていくなど負荷を変えていくとさらに効果的です。

ラジオ体操

ご存知のラジオ体操も、しっかり行えば有酸素運動になります。
ラジオ体操は簡単で誰にでもできますが、様々な動きを取り入れた専門的な運動です。
また、エアロビクスなどのDVDを見ながら運動するのもよいでしょう。
このようなDVDを活用すると、楽しみながら有酸素運動をすることができます。

筋トレについて

筋トレは、筋肉に刺激を与えて成長を促す、筋肉を維持・向上させるための運動です。筋トレをすることで筋肉量を増やすだけでなく、筋力、筋持久力、柔軟性はもちろん、基礎代謝量を増やし太りにくく痩せやすい体になったり、ボディラインを変えることに効果的です。

また、筋トレ後に多く分泌する「成長ホルモン」は、筋肉だけでなく、骨や臓器などの組織のほか、髪の毛や皮膚などの成長を促します。成長ホルモンは年とともに分泌量が低下していくため、筋トレを行い成長ホルモンの分泌量を保つことは、筋肉を維持し、健康な体を維持するために欠かせないのです。
とはいえ、いきなり頑張って筋トレに取り組むのはハードルが高いかもしれませんね。まずは簡単にできる筋トレを始めてみましょう。

イスに座って太もも&腹筋のエクササイズ

  1. 1.イスに浅く腰掛け少し上体を後ろに傾けます。
  2. 2.両足を地面から少し浮かせます。
  3. 3.お腹を意識して膝を持ち上げるように動かします。
  4. 4.上げれるところまで行ったら2の姿勢に戻りましょう。
  5. 5.この動作を10回×3セット行います。

いつでもできる簡単腹筋!

  1. 1.大きく息を吸いながらお腹を凹ますように力を入れます。
  2. 2.呼吸を止めないように気をつけながら、お腹を凹ました状態をキープします。呼吸をする際は、息を吐いたときにより一層凹ませるように意識すると効果的です。
  3. 3.10秒間×3セット行いましょう。

運動時間や程度の目安

研究では、週1回の運動でも、運動をしない時に比べて様々な疾患のリスクが低下したという報告があります。
その目安となる運動実施時間は「150分」。週に150分運動を行うことで健康への良い影響が高まるとされています。週1回の運動で150分でも、空いた時間での数回の運動を合わせて150分でも、同等の効果を得ることができます。
まずは、週150分を目安に運動を取り入れてみてはいかがでしょうか。

筋肉を使う生活習慣

高齢者にとって、つらい運動はなかなか続きません。そんな時は、生活習慣に筋肉を使う工夫を取り入れてみましょう。

歩く時間を増やす

高齢者は下半身の筋力低下が顕著です。それを防ぐためには、歩く時間を増やすようにしましょう。
まずは、歩く時間を長くすることを目的に行い、だんだん慣れてきたら歩く距離や、歩行速度を意識してより多く歩けるようにしていくとよいでしょう。
歩くルートも考慮するのも良いでしょう。坂道などがあれば、筋肉に与える負荷が高まります。

階段を歩く

エスカレーターやエレベーターをなるべく使わず、階段を上り下りするのもおすすめです。階段を使うことで筋肉に刺激が多くかかり、筋トレのような効果を得ることができます。
階段の上り下りは、結構ハードです。体力的にきつい方は、まず上らず、階段を下りるだけから始めてみましょう。

ストレッチ

筋肉を伸ばすストレッチは、筋肉量を増やす効果は少ないですが、筋肉の柔軟性を高め、体を大きく動かせるようになります。
ストレッチは、痛いのを我慢して伸ばすと逆効果。呼吸を止めずに自然な呼吸を行うようにしながら、ゆっくり筋肉を伸ばしていき「気持ちいい」「突っ張った感じがする」くらいのところでキープするようにしましょう。

運動と合わせて摂取すると効果的なたんぱく質

日常的にたんぱく質の摂取量を増やすように意識すると、筋肉を増やす効果がさらに高まります。たんぱく質は筋肉の元となる大切な栄養素です。

私たちの身体は水分が60~70%、たんぱく質が約20%、糖質・脂質・その他が約20%を占めます。
筋肉や胃腸などの臓器、皮膚といった組織から酵素やホルモン、血液まで、そのほとんどを作る上でたんぱく質が必要です。水分以外は、たんぱく質でできていると言っても過言ではありません。

たんぱく質が不足すると、筋量の低下に繋がり、肥満や高齢者のサルコペニアなど様々な疾患の原因のもととなります。運動を頑張っても、筋肉の元となるたんぱく質が足りていないと、効率よく筋肉が作られません。特に歳を重ねるとともに食が細くなる方が多く、たんぱく質摂取量も少なくなりがちです。

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たんぱく質と聞くと、肉・卵・乳製品・大豆などを頭に浮かべる方も多いでしょう。
確かにこれらの食品はたんぱく質が豊富ですが、脂肪分が多かったり、摂ったたんぱく質が実際に身体づくりに利用される割合が意外と低かったりすることもあります。
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魚肉たんぱくで効率良く質のよいたんぱく質を摂りたいです。

おわりに

高齢者の筋肉量低下は、日常生活に悪影響をもたらすリスクが高くなります。しかし、日常的に体を動かすように意識すれば防ぐことができます。
生活習慣にうまく体を動かす時間を作り、食事にも気を配りつつ、筋肉量の低下を防ぎましょう。

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