2022.05.06

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魚肉ペプチドには抗酸化作用がある(魚肉ペプチドの可能性5)

魚肉ペプチドには抗酸化作用がある(魚肉ペプチドの可能性5)

アンチエイジングに興味がある方は「加齢によって身体がサビつくので、抗酸化作用のある食品やサプリを摂ろう」という話を聞いたことがあるかもしれません。
身体のサビ、正確に言うと「酸化ストレス」は老化だけでなく、生活習慣病などの様々な病気につながると言われています。この酸化ストレスを軽減するのが「抗酸化作用」です。今回は「魚肉ペプチド」の抗酸化作用についてご紹介します。

酸化ストレス(活性酸素)は細胞にダメージを与える

酸化ストレスを引き起こすのは「活性酸素」です。活性酸素が細胞膜を変性させて細胞にダメージを与えます。それが積み重なって病気につながると考えられています。
 
酸化ストレスはよく「身体のサビ」に例えられるので、何となく金属的なものが酸化して(錆びて)ボロボロになるイメージをお持ちかもしれませんが、実際に体内で酸化しているのは脂質です。
 
酸化ストレスを受けると、細胞を取り囲む膜(細胞膜)の主成分である脂質が酸化してしまいます。細胞膜は細胞の内と外を分けるだけでなく、外部から栄養などを取り込んだり、細胞同士で連絡したりする重要な役割があります。細胞膜が酸化するとそれがうまくいかなくなり、細胞自体がダメージを受けてしまうのです。

酸化ストレス(活性酸素)とたたかう抗酸化物質

このように、酸化ストレスは細胞にとって困るものですので、活性酸素を消去する物質が体内に備わっています。有名なのがSOD(スーパーオキシドジスムターゼ)やカタラーゼといった抗酸化酵素です。また、ビタミンCやEなどの活性酸素を消去する力(抗酸化能)が強い抗酸化物質もよく知られています。
 
活性酸素は、人が呼吸により酸素を取り入れてエネルギーを燃やしている以上、どうしても出てきてしまうものです。抗酸化酵素・物質がよく働いて、活性酸素を十分に消去してくれれば問題ないのですが、加齢などによってそれが不十分になってくると、酸化ストレスという形で身体にダメージを与えてしまうようになります。
 
アンチエイジングのためにも、健康づくりのためにも、ビタミンCやEなどの抗酸化能をもった物質を積極的に摂るようにするとよいでしょう。

魚肉ペプチドには抗酸化能がある

ここでご紹介したい研究結果があります。神奈川歯科大学薬理学分野の李昌一教授らが「魚肉ペプチドが持つ抗酸化能」を解析したものです。

 
活性酸素はとても不安定な物質で測定するのが難しいのですが、電子スピン共鳴(ESR)法という方法を使うと、どれだけ活性酸素が出ているのかを調べることができます。

 
この研究では、活性酸素の中でも酸化力が強いヒドロキシルラジカル(OH・)を試験管内で測定し、このヒドロキシルラジカル(OH・)を消し去る力の強さを、魚肉ペプチド、大豆ペプチド、アミノ酸混合物※の3つで比較しました。
※アミノ酸の組成は魚肉ペプチドと同じだが、ペプチド結合していないバラバラのアミノ酸の混合物

 
その結果、ヒドロキシルラジカル(OH・)をほとんど(90%)消去するために必要な濃度は、魚肉ペプチドは0.1%、大豆ペプチドは1%、アミノ酸混合物は10%でした(図1)。つまり、魚肉ペプチドは大豆ペプチドの10倍、アミノ酸混合物の100倍もの抗酸化能を発揮するということになります。
5-1抗酸化図1

 
もう一つ、動物(高血圧自然発症ラット)を用いた研究も行われています。ESR法を応用すると、生きたまま脳内の酸化ストレス度を測ることができます。この方法を用いて、魚肉ペプチドもしくは大豆ペプチドをエサに混ぜて3カ月間食べさせた後に脳内酸化ストレスを評価しました。

 
その結果を図2に示します。棒グラフが短いほど、脳内酸化ストレスが少ない状態です。魚肉ペプチドをエサに混ぜて食べていたラットは、大豆ペプチドを食べたラットやどちらも食べていないラット(対照群)と比較して、脳内酸化ストレスが抑えられていることが分かりました。
5-2抗酸化図2

 
これらは試験管内や動物実験での結果ではありますが、魚肉ペプチドを摂取することで体内の酸化ストレスをより効率的に軽減することができるのではないかと考えられます。

 
※当研究について詳しくは、資料室研究データご覧ください。
【抗酸化】電子スピン共鳴技術による魚肉ペプチドの抗酸化能解析

酸化ストレスを減らすには

普段の生活のなかで酸化ストレスを減らすには、活性酸素を増やしてしまうタバコや紫外線を避けつつ、抗酸化能のあるビタミンCやE、ポリフェノール類を多く含む食品を積極的に食べましょう。
 
今回ご紹介した通り、魚肉ペプチドにも抗酸化能があることが研究で示されました。アンチエイジングには加齢により減りがちな筋肉を維持するために、意識してたんぱく質を摂ることも大事です。魚肉ペプチドは消化吸収しやすく、抗酸化能の高いたんぱく源です。興味があれば試してみてください。
 

 
<参考文献>
李 昌一:電子スピン共鳴(Electron Spin Resonance;ESR)法による生物医学応用―医薬品開発のための抗酸化能評価―. YAKUGAKU ZASSHI 2008: 128; 753-763.
江頭 亨,高山房子:フリーラジカルと酸化ストレス-ESR による測定法を中心に.日薬理誌2002:120;229-236.

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