2021.10.29

魚肉たんぱく研究所資料室 > 【抗酸化】電子スピン共鳴技術による魚肉ペプチドの抗酸化能解析

【抗酸化】電子スピン共鳴技術による魚肉ペプチドの抗酸化能解析

魚肉ペプチドの抗酸化能は大豆ペプチドやアミノ酸混合物よりも高い

目的

近年、食品タンパク質由来ペプチドが血圧降下作用や代謝促進、疲労回復効果など様々な生体調節機能を有することが明らかとなってきた。本研究では魚肉タンパク質を酵素分解して得られる魚肉ペプチド(FP)の抗酸化効果について検証した。

1) ヒドロキシラジカルに対する消去活性 in vitro

【方法】

活性酸素の中でも酸化力が強いヒドロキシルラジカル(OH・)に対する消去活性を電子スピン共鳴(ESR)法で測定した。

【結果】

ヒドロキシルラジカルを約90%抑制する時に必要な試料濃度は、FPが0.1%、大豆ペプチド(SP)が1.0%、アミノ酸混合物(AA)が10.0%となった (図1)。

2) 脳内酸化ストレスに対する効果 in vitro

【方法】

脳内酸化ストレスレベルの高い高血圧自然発症ラット(SHR)を用い、FPとSPを粉末飼料に10%混合し、3ヶ月間連続摂取させた。3ヵ月後に脳内酸化ストレスをESR法により評価した。

【結果】

SHRにFPを摂取させることにより、脳内酸化ストレスを有意に低下させる(=生体内でも抗酸化能をもつ )ことがわかった(図2, *p<0.05)。

まとめ

FPのヒドロキシルラジカルに対する消去能は、ESRを用いた実験により大豆ペプチドの10倍、FPと同組成アミノ酸混合物の100倍であることがわかった。また、FP摂取により、生体内でも酸化ストレスを軽減することが明らかにされた。

実験協力&実験協力&データ提供:神奈川歯科大学 生体管理医学講座 薬理学分野・ESR研究室 李昌一教授

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