2023.07.12

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1日に必要なタンパク質はどれくらい?適切な摂取量の目安とおすすめの食品を解説

1日に必要なタンパク質はどれくらい?適切な摂取量の目安とおすすめの食品を解説

タンパク質は、不足するのもとり過ぎるのも健康に悪影響を及ぼします。それでは、1日に必要なタンパク質の量はどれくらいなのでしょうか?この記事では、タンパク質の1日の摂取推奨量や十分とるためにおすすめの食品、必要量を簡単に測れる目安を紹介します。

タンパク質の摂取が必要な理由

最近筋トレ効果などで注目されがちなタンパク質ですが、なぜ摂取が必要なのでしょうか。ここでは、タンパク質の体内での役割をご紹介します。

タンパク質とは

タンパク質は体を構成する主な成分で、20種類のアミノ酸が多数つながってできています。
体に含まれるタンパク質は、常に分解と合成を繰り返すことで新しく生まれ変わっています。分解されたタンパク質の一部は体外に排出されるため、その分を食品から摂取し補う必要があるのです。

良質なタンパク質とは
タンパク質は、良質であるほど体内で効率よくタンパク質の合成に使われます。
タンパク質に含まれる20種類のアミノ酸のうち、体内で合成できない9種類を「必須アミノ酸」と呼び、これらは食事からとる必要があります。必須アミノ酸がひとつでも不足すると、体内でのタンパク質合成の効率が下がってしまうのです。

タンパク質に含まれる必須アミノ酸のバランスを示す指標が「アミノ酸スコア」です。魚類や肉類、牛乳、大豆、卵に含まれるタンパク質はアミノ酸スコアが満点の100で、良質なタンパク質源といえます。

最近では、新しいタンパク質の評価指標として「DIAAS(消化性必須アミノ酸スコア)」が用いられています。DIAASは必須アミノ酸の消化吸収率を考慮して求められているため、アミノ酸スコアより正確にタンパク質の栄養価を比較できます。
DIAASについて詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。

タンパク質の働き

体の中には数万種類のタンパク質が存在し、それぞれが異なる機能を持っています。主な働きは体を作ることで、筋肉や内臓、肌、髪などの組織を構成しています。また、体の働きを助ける酵素や、免疫を司る抗体などもタンパク質の一種です。
アミノ酸も、代謝を助けるビタミンや神経伝達に必要な物質など、さまざまな物質の材料になります。

タンパク質が不足すると?

タンパク質が不足すると筋肉量が減少し、筋力の低下につながります。また、体の働きも維持しにくくなるため、免疫機能が低下し病気にかかりやすくなるなどの変化が起こります。

1日に必要なタンパク質量は?

タンパク質は体にとって必要な成分ですが、とり過ぎても健康に悪影響を及ぼします。タンパク質が1日にどのくらい必要かを把握し、適量を摂取することが大切です。

1日に必要なタンパク質の推奨量

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日に必要なタンパク質の推奨量を設定しています。1日の推奨量は、18~64歳の男性で65g、65歳以上の男性で60g、成人女性では50gです。

この量は、1日に排泄されるタンパク質を補い、筋肉などの体タンパク質を十分に維持するための平均的な摂取量として設定されています。

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年)」

日本人はタンパク質が不足している?

「日本人はタンパク質が不足している」とよく言われますが、本当なのでしょうか。ここでは「令和元年国民健康・栄養調査」の結果から、日本人が1日に摂取しているタンパク質の平均値をみていきます。

1日のタンパク質摂取量の平均値は、成人男性で78.8g、成人女性は66.4gです。年代別に見ても、平均値はいずれも推奨量を上回っていました。この結果からは、タンパク質が日本人に特に不足している成分とはいえません。

出典:厚生労働省「令和元年国民・健康栄養調査報告」

ただし、食事のとり方によってはタンパク質が不足することも考えられます。日本人全体の平均値とは別に、自分自身の1日の食生活を振り返ることが大切です。以下のパターンに当てはまっていないか確認してみましょう。

タンパク質が不足しやすい食事パターン

炭水化物に偏った食事は、タンパク質が不足しがちです。おにぎりだけ、菓子パンとカップ麺、ざるそばだけなど、1日中おかずのない食事ではタンパク質を十分にとることが難しいでしょう。

また、ヘルシーにしたいという意識が働きすぎて、魚や肉などタンパク質メインのおかずの量を減らし過ぎた場合や、主菜が野菜中心の食事になった場合でもタンパク質は不足しやすくなります。

食事内容だけでなく、回数にも注意が必要です。1日2食以下では1日全体での食事量が減少するため、タンパク質を十分にとれません。

タンパク質はとり過ぎにも注意

タンパク質は不足することも心配ですが、とり過ぎても体に悪影響を及ぼす栄養素です。特に腎臓に負荷をかけるため、腎機能が低下した人は注意が必要です。

また、タンパク質源となる食品は脂質も多く含むため、脂質のとり過ぎにつながる恐れもあります。特に肉や卵、乳製品などから動物性の脂質をとり過ぎると、血中のLDL(悪玉)コレステロールを増加させ、動脈硬化を引き起こすリスクが高まるのです。

タンパク質摂取の上限の目安は、日本人の食事摂取基準(2020年版)では摂取エネルギー(カロリー)の20%とされています。1日に1,800kcal摂取する人であれば、タンパク質摂取の上限は90gです。毎日この量を超えて摂取することはおすすめしません。

1日に必要なタンパク質をとるのに役立つ食品

1日に必要なタンパク質の推奨量が分かったところで、何をどのくらい食べれば推奨量を満たせるのでしょうか。ここからは、タンパク質の摂取源として重要な食品を紹介します。

タンパク質源によって含まれる栄養素が異なるため、1日の中でさまざまな種類のタンパク質源を取り入れることが健康づくりに役立ちます。あまり食べていないものがあれば、ぜひ取り入れてみてください。

魚介類

魚介類には、良質なタンパク質が含まれます。魚の種類によって異なりますが、おおむね食材100gに15~20g程度です。1食あたり切り身1切れ、80~100gが目安です。
魚に含まれるn-3系脂肪酸は、LDLコレステロールや中性脂肪を下げ、動脈硬化の予防に役立ちます。肉の摂取を減らし、その分魚を食べる回数を増やすと効果的です。
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魚介類に含まれるタンパク質の量(100gあたり)

  • さけ:18.9g
  • ぶり:18.6g
  • さば:17.8g
  • あじ:16.8g
  • さんま:16.3g
  • たら:14.2g

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肉類

肉類も良質なタンパク質源です。タンパク質の含量は肉の種類や部位によって異なりますが、目安としては食材100gにタンパク質が約15~20g含まれています。そのため、1食80~100gを目安にとるとよいでしょう。
ただし肉に含まれる動物性の脂質は、血液中のLDL(悪玉)コレステロールを上げる働きがあります。LDL(悪玉)コレステロールが高いと動脈硬化が進みやすく、将来心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めます。主菜は肉ばかりに偏らないようにしましょう。
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肉類に含まれるタンパク質の量(100gあたり)

  • 鶏むね:17.3g
  • 鶏もも:17.0g
  • 豚ロース:17.2g
  • 豚もも:16.9g
  • 豚バラ:12.8g
  • 牛もも:16.0g
  • 牛肩ロース:13.7g

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卵1個(50g)には、5.7gのタンパク質が含まれます。料理に卵を加えたり、ゆで卵を間食にプラスしたりすることで、1日の食事で不足するタンパク質を補うのに役立ちます。
牛乳・乳製品
牛乳・乳製品からもタンパク質がとれます。調理の必要がなく手軽に摂取できるため、朝食や間食に取り入れるのがおすすめです。
乳製品からはカルシウムも摂取でき、骨粗鬆症の予防に役立ちます。特に女性は50歳頃から骨量が急に減ることが知られています。1日に牛乳ならコップ1杯、ヨーグルトなら小パック2個を目安に取り入れてみましょう。
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牛乳・乳製品に含まれるタンパク質の量

  • 牛乳コップ1杯(200g):6.0g
  • 低脂肪乳コップ1杯(200g):6.8g
  • ヨーグルト小パック1個(80g):2.6g
  • スライスチーズ1枚(20g):4.3g

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大豆・大豆製品

大豆は「畑の肉」といわれるほどタンパク質が豊富に含まれています。豆腐や納豆などの大豆製品は、手軽に食事に加えられるためおすすめです。
大豆には貧血予防に役立つ鉄分や、女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンが多く含まれるため、女性に嬉しい食材です。
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大豆製品に含まれるタンパク質

  • 木綿豆腐1/2丁(150g):10.1g
  • 絹ごし豆腐1/2丁(150g):8.0g
  • 納豆1パック(50g):7.3g
  • きな粉大さじ1杯(8g):2.8g

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穀類

穀類にもタンパク質が含まれます。他の食品に比べると100gあたりの含量は少ないですが、主食として1回に食べる量が多いため、1日のタンパク質の摂取量を増やす重要な役割を果たします。
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穀類(主食)に含まれるタンパク質

  • ご飯1膳(180g):3.6g
  • 食パン6枚切り1枚(60g):4.4g
  • うどん(ゆで)1玉(180g):4.1g
  • そば(ゆで)1玉(200g):7.8g

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出典:文部科学省「食品成分データベース」

1日に必要なタンパク質をとるための食事のポイント

タンパク質を十分に摂取し、1日の推奨量を満たすには食事のとり方にコツがあります。ここでは、タンパク質をとるための毎日の食生活ポイントを4つ紹介します。

1日3食とる

食事を抜くと、栄養素はその分不足しやすくなります。また、タンパク質は体内に蓄えておけないため、こまめにとる必要があります。1日3回の食事で、タンパク質をできるだけ均等にとるのが理想的です。

特に朝食でのタンパク質摂取が大事

朝食ではタンパク質の摂取が不足しがちですが、実は朝にタンパク質をとることが1日の中で最も重要です。3食の中で朝食にタンパク質をとると最も筋肉がつきやすく、また食後に体内で消費されるカロリーも高くなりやすいことが知られています。
手軽にとれる食品を加える、夕食を一部残して朝食に回すなど、朝食でタンパク質が十分摂取できるよう工夫するとよいでしょう。

1食に手のひらサイズのタンパク質源をとる

1日のタンパク質の推奨量を3回の食事に均等に分けると、1食あたりの摂取量はおよそ20gです。この量を満たすための食材の目安は「手のひらサイズを1つ分」と覚えておくと便利です。普段とっている量を手のひらの大きさと見比べてみましょう。

手軽にとれる食品で「ちょい足し」する

1食あたりのタンパク質量が不足している場合は、手軽にとれる食品をプラスして「ちょい足し」するのがおすすめです。
魚ならサバ缶やツナ缶、魚肉ソーセージといった食品が取り入れやすいでしょう。他にも納豆や豆腐、きな粉、牛乳、ヨーグルト、チーズなど、そのまま食べられるものを加えると手軽にタンパク質の摂取量を増やせます。

主食を抜かない

ご飯・パン・麺などの主食からもタンパク質がとれます。魚や肉などからとりきれない分を補うのに役立つため、主食は毎食とることをおすすめします。
また、主食からとれる炭水化物は、タンパク質から筋肉を作る過程で必要な栄養素です。タンパク質だけを摂取しても、筋肉などの体タンパク質の合成は効率よく行われません。

他に必要な成分も合わせて摂取できるため、主食とタンパク質源、野菜を組み合わせた栄養素のバランスがよい食事を心がけましょう。

タンパク質の多い間食を取り入れる

どうしても3食とれない、少食で量が食べられないなど、1日に必要なタンパク質の摂取量を食事で満たせない場合は、間食でタンパク質を補給するのがおすすめです。
常温で保存できる魚肉ソーセージやプロテインバー、コンビニで買えるゆで卵や高タンパクヨーグルト、プロテインドリンクなど、手軽にとれる食品を取り入れてみましょう。

手軽に美味しくタンパク質をとるなら、鈴廣かまぼこの「FPB(フィッシュプロテインバー)」もおすすめです。世界のごちそうをイメージした3種類の味を楽しみながら、タンパク質を1本で7~8gとれます。

1日に必要なタンパク質をしっかりとって、さらに健康な体を目指そう

タンパク質を食事からしっかりとることは、筋肉を維持し体力を保つだけでなく、体の機能を正常に働かせ健康に過ごすために大切です。自分の1日の食生活を振り返り、毎食「手のひらサイズ」のタンパク質がとれていない場合は、手軽にとれる食品で補ってみましょう。

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