小田原かまぼこ鈴廣「今伝えたいこと」vol.3

 今回は最初にうれしい報告とお礼から。かまぼこは魚タンパク質の塊と、「今伝えたいこと」vo1vo2で、お伝えしてきました。

なんと嬉しいことに、外出自粛生活で、かまぼこやちくわ、カニカマなどの需要が高まったそうです。
かまぼこ屋として、お客様の健康的な暮らしにお役に立てたなら、この上ない喜びです。

お買い求めいただき、業界を支えてくださったみなさまに、心よりお礼申し上げます。

おうち生活で見直された、かまぼこの良質なタンパク質

 おうち生活の定番、ラーメンやパスタなどの麺類、あるいはカレーやチャーハンなどのご飯ものなど、炭水化物の食事に、かまぼこを加えたり、添えたりするのが簡単です。

炭水化物にかたよったメニューでは不足してしまう、タンパク質やミネラルをかまぼこで補う。
そうすると筋力や免疫力の低下を防ぎ、体調や精神面での不調も起こりにくくなります。

さらにかまぼこメインの一品を作っていただけたなら、かまぼこ屋としてはさらに喜ばしいこと。
鈴廣かまぼこの弾力や旨味を生かしたレシピはこちらから御覧ください。

かまぼこは魚よりも、消化率がさらに高い

 私が、おうち生活でよく作っていたのは、かまぼこのおにぎりと、かまぼこと野菜のサンドイッチ。

それから、12mmの厚さに切ったかまぼこの上に、バナナをのせたおやつ。
意外かもしれませんが、この組み合わせははまります。
小腹がすいたら、“かまぼこバナナのせ”を家族とよく食べていました。

最近の研究で、すりみにすることで、魚を食べるよりも消化率が良いこともわかってきました。
消化がよくエネルギー源として優秀なバナナとの組み合わせは最強コンビです。

おうち生活中は、調理いらずのかまぼこの登場回数が増えましたね。

良質な魚肉タンパク質が、ウイルスなどと戦う免疫力を高める

 現在のところ、外出自粛制限が緩和されていますが、ウイルスなどと戦う免疫力を高める必要性はこれからも変わりません。
今回は、免疫力とかまぼこに含まれる良質なタンパク質の関係を述べます。

 外からやってくる細菌やウイルスなどを撃退する“免疫”の活動にも、タンパク質は欠かせません。
体内の免疫細胞や抗体などは、良質なタンパク質からできているからです。
普段からタンパク質を積極的に取ることで、免疫力を高めることができます。

また、肉や乳製品などと比べ、かまぼこは脂肪分が低く、そして魚よりも消化率が高く吸収されやすい利点があります。
外出自粛生活が終わってからも、ぜひ、冷蔵庫にかまぼこを常備していただきたいと思っております。

天然水や天然塩を使った「かまぼこ」は、ミネラルも豊富

さらに「かまぼこ」はカルシウムやマグネシウムなどのミネラルも豊富です。
魚の身を水で洗い、脂を取り除く“水さらし”の工程では、大地のミネラルを含んだ天然の地下水を使っています。

また、魚肉を塩ですり合わせる“すり”の際に、海のミネラルを多く含む塩を使っています。
ミネラルは、体の調子を整えるのに欠かせない栄養素。

良質なタンパク質とともにミネラルもとれるという点でも、「かまぼこ」は体を強くする、最強の栄養食品なのです。

日々進化する「かまぼこ」づくり

 鈴廣では魚のよさを生かしたかまぼこづくりをしております。そのため、天然素材のみでで、かまぼこを作っています。
弾力を出すための人工的な添加物など一切使いません
天然の弾力を生み出すには、素材を選び抜くことも大事ですが、職人の技と、水産学博士による素材と製造方法の研究も重要な柱です。

 職人技では、「水産練り製品製造技能士」という国家資格があります。
魚や海に関する知識と、魚と塩と水だけで練り物を作り上げる技術の双方を問われます。
例えばベテランの職人は、自分の手でかまぼこに最適な塩加減を0.1g単位で見極めて調整できてしまうんですね。
現在鈴廣には1級技師が13人、2級技師は私も含めて50人ほど在籍しています。

また、社内には「魚肉たんぱく研究所」という専門のラボがあります。
博士号を持つ研究者がかまぼこ作りに適した魚探しや、より美味しくなる製造方法を研究しています。
魚のDNAを分析して、どんなDNAをもった魚がいい弾力を生み出せるかなど、わかってきています。

かまぼこは900年以上前に生み出された日本発祥の食品ですが、今もなお、「かまぼこ」づくりは日々進化しているのです。

職人技のインタビューはこちら

かまぼこづくりを通して、人と環境を健やかにしたい

「食べて健康になる」ということのみならず、「かまぼこ」をつくるのに欠かせない海、山、大地、そして働く人の環境も健やかにしたい。

例えば、「鈴廣かまぼこ」に欠かせない水は、箱根丹沢連山からの豊かな地下水ですが、これを守るには、足柄平野の北西部にある山林の手入れが必要。
木を植えるなどの活動は会社として長年積極的に行われています。
自然が与えてくれた恵を無駄にせず、かまぼこを通じて人も自然も健やかにしたい」という鈴廣の想いをかまぼこに込めています。

■鈴木智博 プロフィール
平成生まれ。鈴廣蒲鉾の長男として育つ。大学卒業後、商社へ入社。世界中に魚を買い付けに行き、水産のダイナミズムを学ぶ。2015年にかまぼこの伝統を継ぐために鈴廣へ入社。現在はマーケティング部を担当し、かまぼこ市場をどう作っていくか奮闘中。また、日本の伝統の味を受け継ぎ伝えていくユニット「Handred」の一員としても活動している。

■Handred
http://www.handred.net/

■twitter : かまぼこ王子 美味しい厚さは12mm、私の好みは13mm
https://twitter.com/tomohi0420/

photographs by Hiyori Ikai

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この記事を書いた人

馬田草織

編集者・ポルトガル料理研究家。料理雑誌などで編集者・ライターとして活躍するかたわら、自宅でポルトガル料理教室を主宰。Web「cakes」にてお酒に合うポルトガル料理を紹介する「ポルトガル食堂」を連載中。
近著『ムイトボン!ポルトガルを食べる旅』(産業編集センター)など著書多数。

http://badasaori.blogspot.com/

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