2023.01.25

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タンパク質が不足すると?その症状や原因・対策を紹介

タンパク質が不足すると?その症状や原因・対策を紹介

現代の日本人の多くはタンパク質不足と言われています。日々の食生活で「タンパク質が不足しているのではないか」と感じている人もいるのではないでしょうか。この記事では、タンパク質不足で出やすい症状や原因などを紹介します。今はまだそれほど意識していない人でも、タンパク質不足の症状が出ていないかあらためて確認してみてはいかがでしょうか。

タンパク質不足が起こる原因

現代の日本の食生活は非常にバラエティ豊かです。にもかかわらず、全ての年代層でタンパク質不足になっている人が増えてきています。ここでは、女性、男性、高齢者のタンパク質不足の原因について説明します。

女性に多い原因


女性がタンパク質不足になりやすい原因の一つに、細身の体型に憧れる「やせ型志向」があります。「やせ型志向」の強い若い女性は、モデルの様な細身の体型に憧れて、無理に食事を減らしたり抜いたりしてしまい、食生活が乱れたり体調を崩したりしがちです。

また、高カロリーな肉などを避けて野菜などを中心にしてしまい、タンパク質が十分に摂取できず、栄養不足になっていることもあります。タンパク質が不足すると、脳が鈍って記憶力が低下したり、貧血の原因になることもあるので注意してください。

男性に多い原因


男性に人気のチャーハン、ラーメン、などはタンパク質よりも糖質や脂質が多く含まれる食品です。こういった食品ばかりを摂取していると、体に必要なタンパク質が不足していきます。年齢が上がると基礎代謝(体を動かすためにに必要なエネルギー)が減っていきますので、タンパク質が不足していると更に基礎代謝低下が加速します。

成人のころと同じ食生活を送っていると、結果カロリーオーバーになり、肥満につながりやすくなります。肥満は高血圧や糖尿病などの生活習慣病にもなりやすいので注意してください。

タンパク質は筋肉を作る栄養素でもあります。良質なタンパク質を摂取し筋肉量を保つことで、基礎代謝低下を防ぎ、肥満になりにくい体を保つことができます。

高齢者に多い原因


高齢者がタンパク質不足になりやすい原因の一つに低栄養素状態があります。年齢を重ねると食が細くなり、柔らかい食材や野菜を中心とした「低カロリー食品」の食事を好む高齢者が多くなります。1日3食しっかり食べているのに、タンパク質など必要な栄養素が不足してしまい、知らず知らずのうちに「低栄養素状態」になっている高齢者が増えています。

高齢者の低栄養素状態は免疫力の低下にもつながり、更に感染症にかかりやすくなります。また、タンパク質が不足すると筋肉量が減少し、転倒や骨折のリスクが高まります。それが原因で寝たきりにつながることもあるので注意が必要です。

タンパク質不足の症状は?

タンパク質不足が与える影響は身体面だけではありません。精神面に影響することもあります。ここでは、タンパク質不足によって起きる10つの症状について解説します。

筋肉量が減少する

タンパク質は筋肉や臓器などを作り、それらの機能を維持する非常に重要な栄養素のひとつです。食事から摂取したタンパク質は体内で新しいタンパク質として作り変えられ、古いものを排出します。タンパク質の摂取量が減ると、体内で新しいタンパク質を作り変えられず、筋肉量も減少し、体の機能を維持することもできなくなり体調を崩しやすくなります。

また、ダイエットなどで低カロリー食ばかり食べていると、体内で必要なエネルギーが不足し、既にある筋肉を分解してエネルギーを作り出してしまい筋肉量の減少につながります。

代謝が悪くなる


筋肉や臓器などを作り維持するためのタンパク質が不足すると、基礎代謝が落ちて太りやすく痩せにくいという代謝の悪い体質になります。
また代謝が悪くなると、摂取した脂肪などがより消費されず、内臓のまわりに溜まる「メタボリックシンドローム」になる可能性も高くなります。

肌や髪、爪のトラブルが起こりやすい


皮膚組織の大部分である真皮の材料はコラーゲンです。そのコラーゲンにタンパク質が加わることで肌に弾力が生まれます。タンパク質が不足すると肌の弾力を維持できずたるみやすくなり、皮膚の一部である爪も割れやすくなります。

また髪の毛の成分は、ケラチンと呼ばれるアミノ酸の一部が結合されてできたタンパク質で構成されています。このタンパク質が不足すると、結合が弱まり枝毛や切れ毛の原因になったり、薄毛につながったりすることもあります。

骨がもろくなる

骨を作るのに有名な栄養素はカルシウムですが、タンパク質も欠かせない栄養素です。タンパク質が不足すると筋肉量が低下し、骨が弱くなるので、高齢者は転倒などで骨折しやすくなります。骨折などが原因で寝たきりになり、介護が必要になることもあります。加齢に伴う筋肉の減少に加え、タンパク質不足も加わると骨がもろくなるリスクが高くなります。

身体がむくむ

むくみは、水分や塩分の摂りすぎが原因と思われていますが、タンパク質不足が原因であることもあります。タンパク質などの栄養素は血液が運んで全身をめぐりますが、タンパク質が不足すると血液中のタンパク質濃度が低下します。タンパク質濃度が低下すると血管内の水分は血管外に出されタンパク質濃度を高くします。

血管から出された水分は老廃物として皮下細胞の間に溜まります。老廃物はリンパが処理しますが、リンパの流れが悪かったり、タンパク質不足が続いたりするとむくみがひどくなることもあります。

疲れやすくなる

体の不調
タンパク質を含む食品には、疲労回復に働く「ビタミンB群」が多く含まれているものが多いため、タンパク質不足とともに「ビタミンB群」も不足になることもあります。その結果、だるさや疲労感を引き起こすことがあります。また、タンパク質不足が慢性的になると、身体が疲労回復しにくくなり、より疲れやすい体になります。

貧血になりやすい

貧血は血液中のヘモグロビンが減ることで起きます。タンパク質はヘモグロビンの材料となり、鉄と同様大切な栄養素です。タンパク質不足になるとヘモグロビンも不足し、貧血を引き起こしやすくなります。貧血の症状が発生すると全身に血液が酸素を運べず、頭痛や肩こり、だるさなどの症状が出やすくなります。

集中力・思考力が低下しやすい

タンパク質を構成する成分であるアミノ酸は、やる気を向上させるドーパミンや、リラックス効果を発揮するセロトニンなどの神経伝達物質を作りだします。タンパク質は体内でこのアミノ酸に分解されるため、タンパク質が不足すると、結果的にドーパミンや神経伝達物質が作られず、集中力や思考力が低下する原因にもなります。

セロトニンは睡眠に必要なメラトニンというホルモンを作り出す物質でもあるので、良質な睡眠をとるためにも必要です。結果としてタンパク質の不足が寝つきの悪さを引き起こすことにもなるのです。

また、セロトニンは不足するとイライラや悲しみなどの感情が抑えられなくなり、感情をコントロールできなくなるので、時には憂鬱に感じるようになることもあります。

免疫力が低下する

タンパク質は体づくりを維持し、皮膚や免疫細胞などの材料になるものが含まれています。タンパク質が不足すると皮膚や免疫細胞が病原体などにさらされて感染しやすくなります。皮膚の傷や風邪など治りづらい場合には、タンパク質の不足が原因の場合もあります。

低出生体重児が生まれやすくなる

「やせ型(低体重)」の日本人女性は、妊娠してもタンパク質などの栄養素や、エネルギー摂取量などを増やさないまま妊娠前と変わらない食事をする傾向があります。そのような食生活では授乳期も栄養不良になり、胎児や乳幼児の成長に影響が出ることがあります。

妊娠・出産・授乳では胎児や乳幼児の成長の為に、タンパク質やエネルギーの推奨量を満たすようにしましょう。

タンパク質不足を防ぐためのポイント

普段の食事から摂取する

タンパク質には、一日に必要な摂取量があります。18歳以上の男性は推定平均必要量が50g、18歳以上の女性は推定平均必要量が40gとなっています(共に推奨量は+10gです)。また妊娠・授乳期は時期により推定平均必要量と推奨量が変わります。

※参照元:【140821差し替え】日本人の食事摂取基準(2015版)概要 

タンパク質を多く含む食品をいくつか紹介します。意識して取り入れてみましょう。
(成分量は、100gあたり㎎)

  • かつお節 77.1㎎
  • するめ  62.9㎎
  • 焼きのり 41.4㎎
  • 豚肉(ひれ・赤肉) 39.3㎎
  • 鶏肉(むね・皮なし)34.7㎎
  • 牛肉(もも・赤肉)30.0㎎
  • しろさけ(焼き)29.1㎎
  • ふりかけ(たまご)23.4㎎
  • ゆで卵(全卵)12.9㎎
  • 木綿豆腐 7.0㎎

※引用元:文部科学省|食品成分データベース

また、魚を原料につくられる「かまぼこや伊達巻」もタンパク質が豊富に含まれており、簡単に食べることが出来る食品なので、おすすめです。鈴廣オンラインでは天然素材を使用した様々な種類のかまぼこや上品な甘さの伊達巻を取り扱っています。

サプリメントで補う

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タンパク質だけ効率よく摂取したい人には、プロテインパウダーやアミノ酸のサプリメントなどで摂り入れる方法もあります。カロリーが低いものも多く、忙しくても簡単に摂取できるので、ダイエット中でも安心です。またプロテインパウダーには体内で作られない9種のアミノ酸を含む、全20種類のアミノ酸を摂取できるものもあります。

しかしサプリメントは、あくまでも補助として取り入れましょう。タンパク質を意識したバランスの良い食事を摂ることがまずは重要です。

まとめ

タンパク質の不足は体や心の不調に繋がることもある、とても大切な栄養素です。しかし現代の日本人はタンパク質の不足が多く、日頃から意識してタンパク質の多い食品を摂取する必要があります。サプリメントなどは簡単に効率よく摂取できますが、日頃の食事からもきちんと摂取したいものです。

かまぼこはなら、調理しなくても食べられるので、冷蔵庫の常備しておけば手軽にタンパク質が摂取できます。

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