2022.08.05

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魚肉ペプチドの栄養価は高く、吸収効率も良い(魚肉ペプチドの可能性6)

魚肉ペプチドの栄養価は高く、吸収効率も良い(魚肉ペプチドの可能性6)

近年、たんぱく質を十分に摂ることの重要性がクローズアップされてきました。加齢により筋肉量が低下すると、ロコモティブシンドロームやフレイル(虚弱)になって、自立した生活が送りにくくなってしまいます。もちろん若い人でも、たんぱく質は健康な身体づくりに欠かせない大事な栄養素です。 たんぱく質を摂る際には、量だけではなく「質の良いたんぱく質」にも着目して選ぶとよいでしょう。今回はたんぱく質の「質の良さ」の評価法と、「魚肉ペプチド」の質についてご紹介します。

たんぱく質は含まれるアミノ酸によって質が左右される

たんぱく質はアミノ酸がいくつもつながってできています。
アミノ酸は20種類ありますので、たんぱく質によってどのアミノ酸がどれだけ含まれているかが異なります。
この20種類の中で、特に体内で作り出せない9種類(イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジン)は「必須アミノ酸」と呼ばれ、これらがどれだけバランスよく含まれているかが重要です。

 
例えば、小麦は、リジンという必須アミノ酸の含有量が少ないことが分かっています。他の必須アミノ酸は100かそれに近いスコアなのですが、リジンが36しかなく、全体のアミノ酸スコアは36ということになります(図1左)。

一方、魚肉ペプチドはスコア100を下回る必須アミノ酸は存在しないので、全体のアミノ酸スコアは100(満点)です(図1右)。アミノ酸スコアから見る魚肉ペプチドは「良質なたんぱく質」と判定することができます。

 
小麦と魚肉ペプチド比較

魚肉ペプチドはたんぱく質の吸収・利用効率も良い

先ほど紹介したアミノ酸スコアは、あくまで制限アミノ酸の量で判定する簡易的なものであり、卵、肉、牛乳などの動物性たんぱく質の多くは100点満点です

※これは「たんぱく質消化性補正アミノ酸スコア」(PDCAAS)という評価方法です。近年では、たんぱく質の品質をより正確に評価できる「消化性必須アミノ酸スコア」(DIAAS)という方法が提唱され、注目されています。

 
もう少し詳しく、たんぱく質の「質の良さ」を見聞してみましょう。
アミノ酸スコアが良くても、食べた後に栄養として体内で利用できなければ意味がありません。その点に着目した指標として「生物価」があります。生物価は摂取したたんぱく質がどれだけ体内に取り込まれたかを示す値です。

 
生物価を算出するためには、実際にそのたんぱく質を食べてもらい、尿や便中の窒素量を測るなどの必要があり、かなり手間がかかります。今回、関西大学化学生命工学部の福永健治教授らがラットを用いて、魚肉ペプチドとカゼイン(牛乳に含まれる主なタンパク質)で生物価を調べました。

 
その結果、魚肉ペプチドの生物価は97.6で、カゼインは84.4でした。生物価が90以上を示すたんぱく質はとても少なく、魚肉ペプチドは高い生物価をもつ数少ないタンパク質の一つであると言えます。

 
また、生物価にたんぱく質の消化吸収率を加味した「正味タンパク質利用率」(NPU)を計算してみても、魚肉ペプチドは97.1%で、カゼインは84.2%であり、やはり魚肉ペプチドは体内で利用しやすい質の良いたんぱく質であることが分かりました(図2)。

 
正味タンパク質利用率(NPU)の比較

 
さらに、摂取たんぱく質あたりの体重増加量を示す「たんぱく質効率」について見ると、魚肉ペプチドは3.63で、カゼインは2.30でした。たんぱく質効率は3.5以上が極めて良質、3.5~3.0が良質、3.0~2.0以上が普通、2.0以下が劣質と評価されますので、魚肉ペプチドは「極めて良質」、カゼインは「普通」ということになります。

 
これらの結果をまとめると、魚肉ペプチドは消化吸収を受けた後に体内でたんぱく質として筋肉などの身体の構成成分を作り出す栄養として効率良く使われる「質の良いたんぱく質」であると言えます。

 
※当研究について詳しくは、資料室研究データご覧ください。
【高栄養吸収性】魚肉ペプチドの栄養吸収(窒素有効性)試験

質の良いたんぱく質を積極的に摂ろう

今回は、たんぱく質の「質の良さ」はどのように評価されるのかという点を、魚肉ペプチドを例に挙げて解説しました。

必ずしも質の良いたんぱく質ではないとダメというわけではありませんが、食の細い方や消化吸収能が落ちているような方、筋肉疲労の起こしやすいアスリートなどは、より消化吸収や体内利用率の良いたんぱく質を選んだ方がよいのではないでしょうか。

そのような方々には、体内での吸収・利用効率が良い魚肉ペプチドが一つの選択肢になるかと思います。興味があれば試してみてください。

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