2022.04.27

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魚肉ペプチドは血圧の上昇を抑制する(魚肉ペプチドの可能性4)

魚肉ペプチドは血圧の上昇を抑制する(魚肉ペプチドの可能性4)

健康診断などで血圧が高め(収縮期120mmHg以上、拡張期80 mmHg以上)であることが指摘されているならば、生活習慣(食事、運動)を改善する必要があります。「魚肉ペプチド」もそのサポートができるかもしれません。

血圧が高めと言われたらすべきこと

高血圧が身体に良くないことはよくご承知かと思います。120/80mmHgを超えて血圧が高くなるほど、脳卒中や心筋梗塞などの脳心血管病、慢性腎不全などの病気にかかるリスクが上がると言われています。

 
では、どのように対策すればいいのでしょうか。まず食事については、食塩(塩化ナトリウム)を減らして(1日あたり6.0g未満が目標)、ナトリウムを排泄する作用を持つカリウムをしっかり摂ること(1日あたり男性は3.0g以上、女性は2.6g以上が目標)、過剰な飲酒を控える(1日あたり純アルコールで男性は20g未満、女性は10g未満)ことが大事です。さらに食物繊維やカルシウムも積極的に摂るとよいとされています。

 
運動も重要な血圧対策です。少しきついと感じるくらいの強度の有酸素運動を1日30分以上行うことが勧められています。
運動する時間が取れない人は、日常の活動の中で運動量を増やすように心がけてください。例えば、1駅分は歩いて帰る、なるべく階段を使うようにするなどです。

 
食事と運動を見直してダイエットをすると、血圧が下がることもわかっています。特に肥満(BMIが25以上)の人や、若いときよりも体重が増えてきている人は要注意です。

 
このように「血圧が高めの人」はさまざまな観点から生活習慣を見直す必要があります。できるところからぜひ取り組んでください。

魚肉ペプチドが血圧の上昇を抑える可能性が示された

ここでご紹介したい研究結果があります。神奈川歯科大学薬理学分野の李昌一教授らが「魚肉ペプチドが血圧の上昇を抑える可能性」を示したものです。

 
魚肉ペプチドとは、良質なたんぱく質が多く含まれる魚肉たんぱく質を細かく分解したものです。李教授らは、ラットを用いた動物実験とヒトが参加した研究の2つで魚肉ペプチドが血圧に与える影響を確認しました。

 
まず動物実験についてご紹介します。将来、高血圧を発症することが分かっているラット(高血圧自然発症ラット)を3つのグループに分け、それぞれ「従来のエサを与える群」、「エサと大豆ペプチドを与える群」、「エサと魚肉ペプチドを与える群」とし、生まれて4週目から12週目になるまで血圧測定を行いました。

 
その結果、「従来のエサを与える群」では、育つにつれてだんだん血圧が高くなりました。また「エサと大豆ペプチドを与える群」も同じように血圧が上がっていったのですが、「エサと魚肉ペプチドを与える群」では血圧の上がり方が緩やかになっていることが確認できました(図1)。

 
つまり、魚肉ペプチドを摂ると血圧の上昇を抑える効果が得られるのではないかと考えられます。ただし、これは動物実験ですので、この結果がそのまま人間にも当てはまるとは限りません。

 
そこで次に、ヒトを対象とした研究を行いました。収縮期血圧135mmHg以上もしくは拡張期血圧85mmHg以上の成人14名を対象に、魚肉ペプチドを1日3g、2カ月間にわたり継続摂取をしてもらうというものです。魚肉ペプチドを飲むこと、毎日ほぼ同時刻に家庭用血圧計で血圧測定をすること以外には特に日常生活に制限はかけず、いつも通りに過ごしてもらいました。

 
その結果、被験者の血圧は収縮期、拡張期ともに低下したことが示されました(図2)。
4-2血圧上昇抑制図2

 
このことにより、魚肉ペプチドはラットだけではなくヒトの血圧上昇も抑える可能性があるのではないかと言えます。

 
※当研究について詳しくは、魚肉たんぱく研究所「資料室」研究データご覧ください。
【血圧上昇抑制】魚肉ペプチド摂取による高血圧自然発症ラットおよびヒトの血圧上昇抑制作用

血圧が高めならば、生活習慣を見直そう

血圧が高めの人は、減塩、カリウム摂取、節酒・禁酒、運動などに着目して生活習慣を改善する必要があります。
また、ご紹介した通り、魚肉ペプチドも血圧対策をサポートしてくれる可能性が研究で示されました。ちなみに魚肉ペプチドは「日常生活で生じる身体の一時的疲労感を軽減する機能」をもつ機能性表示食品として届出がされており、運動を続けるサポートもしてくれます。興味があれば試してみてください。

 

 
<参考文献>
日本高血圧学会:高血圧治療ガイドライン2019
宮本恵宏ら:特定保健指導の対象とならない非肥満を含む心血管疾患危険因子保有者に対する生活習慣改善指導ガイドライン(Ver.0.13),2017.

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