
ダイエットのために糖質を制限し、おやつを我慢している人も多いのではないでしょうか?しかし、糖質量やカロリーに気をつければ、ダイエット中でもおやつを楽しめます。この記事では、糖質制限中のおやつの選び方とおすすめの食べ物、満足感を高めるための食べ方について解説します。
糖質制限中のおやつを選ぶポイント

健康志向の高まりから、「糖質オフ」や「糖類オフ」などをアピールしたさまざまな製品が販売されています。糖質制限をしながらおやつを楽しむには、どのようなことに気をつけて選べばよいのでしょうか?ここでは、おやつの選び方として気をつけたいポイントを4つ紹介します。
糖質が10g以下のもの
「ロカボ」と呼ばれるゆるやかな糖質制限では、1日の糖質摂取量を70~130gに設定し、間食からとる糖質量は10gにすることを推奨しています。商品の栄養成分表示を見て、糖質の量を把握することが大切です。
「糖質」と「炭水化物」の違い
炭水化物は、糖質と食物繊維の総称です。食物繊維は体内で消化されずエネルギー源にもならないため、ダイエットではカロリーを持つ糖質のみに着目しましょう。
栄養成分表示では、炭水化物・糖質・食物繊維それぞれの量が表示されています。ただし、炭水化物の表示のみで糖質の含有量は記載されていない商品もあります。その場合は、タンパク質と脂質の量を考慮し、以下の計算式から糖質の量が計算可能です。
POINT
糖質量が表示されていない場合の計算方法
糖質量(g)={エネルギー(kcal)-タンパク質量(g)×4-脂質量(g)×9}÷4
カロリーのある3つの栄養素のうち、糖質とタンパク質は1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcalです。タンパク質と脂質のカロリーを計算し、栄養成分表示に記載されているエネルギー量から引いて4で割ると糖質の量が求められます。
「糖質オフ」と「糖類オフ」の違い
「糖類」とは、糖質のうち単糖類・二糖類を総称した言葉です。単糖類は果物などに含まれる果糖やブドウ糖、二糖類は砂糖の成分であるショ糖や牛乳に含まれる乳糖などが含まれます。
糖質にはこれらの成分のほか、米や小麦粉、いも類などに含まれるでんぷんも含まれます。「糖類オフ」と記載のある製品では、「糖質オフ」になっているとは限らないため注意が必要です。
カロリーが200kcal以下のもの
糖質制限では「カロリーを意識しなくてもよい」と思われがちですが、実際にはカロリーオーバーは体重を増やす要因になります。間食でカロリーをとりすぎてダイエット効果を妨げないよう、1日200kcal以下を目安にするのがおすすめです。
「糖質オフ」と書かれている商品で糖質量が10g以下でも、脂質が多く200kcalを超えるものがあります。おやつを選ぶ際は糖質量とカロリーを合わせてチェックしましょう。
個包装のもの
低糖質・低カロリーなおやつでも、食べすぎると当然、糖質やカロリーの過剰摂取につながります。糖質10g以下かつカロリー200kcal以下で個包装になっているものを選ぶと、1食分の量が分かりやすく食べすぎを防止できます。
糖質制限中におすすめの【甘い】おやつ

おやつといっても、甘いものからしょっぱいものまで幅広くあります。まずは、糖質制限中でも甘いものが食べたいときにおすすめのおやつを紹介します。
高カカオチョコレート
高カカオチョコレートは、通常のミルクチョコレートと比較して糖質の含量が控えめなので、糖質制限中のおやつに適しています。
ただし、脂質が多いためカロリー自体は高カカオチョコレートとミルクチョコレートに大きな違いはありません。種類を問わず、チョコレートの食べすぎには注意しましょう。
種類 | エネルギー (kcal) |
糖質 (g) |
エネルギ (g) |
---|---|---|---|
ミルクチョコレート | 550 | 53.9 | 34.1 |
高カカオチョコレート | 539 | 32.9 | 41.3 |
※可食部100gあたり
寒天ゼリー・こんにゃくゼリー
寒天ゼリーやこんにゃくゼリーも糖質制限中のおやつにおすすめ。硬めの食感で食べごたえがあり、腹持ちのよい食べ物です。
糖質の量が控えめな理由は、砂糖の代わりにアスパルテームやスクラロース、エリスリトールなどの低カロリー甘味料で甘みをつけているためです。砂糖や果糖ブドウ糖液糖などを使用したゼリーでは、糖質量が多いものもあるため栄養成分表示を見て選びましょう。
ヨーグルト
ヨーグルトは、無糖タイプの商品であれば低糖質のおやつとして活用できます。特に、高タンパク質のギリシャヨーグルトは満腹感を得られやすいためおすすめです。
糖質制限中は、加糖のものやフルーツ、ジャムが入っているものは控えるか容量が小さいものを選びましょう。
プロテインバー
プロテインバーはタンパク質を手軽に摂取でき、固いバーをよく噛んで食べるため糖質制限中の空腹を満たすのに役立ちます。
商品によって糖質量が異なるため、糖質オフと書かれているものを選ぶか、栄養成分表示を確認して糖質量が控えめな製品を選びましょう。
カロリーも商品によって異なりますが、脂質が多くカロリーも高い傾向があるため、食べる量にも注意が必要です。糖質制限中は半分に割れる割線付きのものを選び、2日に分けて食べるのもよいでしょう。
果物
果物は糖質の多い印象がありますが、一般的なお菓子と比べると糖質は控えめでカロリーも低めです。実は、健康的なおやつとして活用できる食品なので、糖質制限中のおやつ選びで迷ったときは取り入れるのもよいでしょう。
特に糖質の少ない種類は、いちごやグレープフルーツ、桃、キウイフルーツなどです。100g食べても糖質10gを超えず、カロリーも40~50kcal程度です。
いちごなら5個、グレープフルーツや桃は1/2個、キウイは1個程度で100gに相当します。ただし、バナナなど糖質の多い種類もあるため注意して選びましょう。
果物の種類 | エネルギー (kcal) |
糖質 (g) |
---|---|---|
いちご | 31 | 6.6 |
桃 | 38 | 8.7 |
グレープフルーツ | 40 | 8.9 |
みかん | 49 | 11.3 |
キウイフルーツ | 51 | 11.3 |
りんご | 53 | 12.7 |
ぶどう | 58 | 16.2 |
バナナ | 93 | 21.7 |
※可食部100gあたり
糖質制限中におすすめの【甘くない】おやつ

続いて、甘くないおやつのおすすめを紹介します。お菓子以外にもさまざまな食品をおやつとして活用できるので、糖質制限中はぜひ取り入れてみてください。
かまぼこ
かまぼこは、噛みごたえのある食感で満足感が高く、糖質制限中のおやつにおすすめです。タンパク質を豊富に含み、低脂質でカロリーも低いのが特徴です。
魚肉ソーセージ
魚肉ソーセージも、糖質制限中のおやつとしておすすめの食品です。タンパク質が豊富に含まれ、健康的にしっかり食べて満足感が得られます。焼かずにそのまま食べられる手軽さも魅力です。
サラダチキン
低糖質・低カロリーなサラダチキンは、糖質制限中の食事だけでなくおやつにも活用できます。さまざまな味付けのものがあるため、飽きずに続けられるでしょう。スティック型のものを選ぶと手軽に食べやすいためおすすめです。
ナッツ
ナッツは低糖質おやつの代表格です。さまざまな種類がありますが、いずれも脂質が豊富に含まれるため、食べすぎるとカロリーオーバーになる可能性があります。
1日30g、片手のひら1杯分を目安にするとよいでしょう。小袋に入ったものを選ぶと、食べすぎを防ぐのに効果的です。
種類 | エネルギー (kcal) |
糖質 (g) |
エネルギ (g) |
---|---|---|---|
マカダミアナッツ | 225 | 2.0 | 23.0 |
くるみ | 214 | 2.8 | 20.6 |
ピスタチオ | 185 | 3.3 | 16.8 |
らっかせい | 172 | 3.7 | 14.1 |
アーモンド | 183 | 5.0 | 15.5 |
※可食部30gあたり
チーズ
チーズも糖質が少なく、手軽なおやつに活用できる食品のひとつです。タンパク質やカルシウムも豊富に含まれるため、ダイエットや糖質制限中の栄養補給に役立ちます。
スライスチーズ2枚や6Pチーズ2個(40g)を目安に取り入れましょう。
チーズ(プロセスチーズ)40gの栄養価
- エネルギー:125kcal
- 糖質:0g
- タンパク質:9.1g
- カルシウム:250mg
おやつ昆布・わかめ
乾燥、味付けがされた昆布やわかめも、糖質制限中のおやつとしておすすめです。
噛みごたえがあるため、ゆっくり食べることで少量でも満足感が得られやすく、糖質やカロリーの摂取量を抑えられます。食物繊維が豊富に含まれているため、体内への糖質の吸収を抑えるのにも役立ちます。
糖質制限中におやつの食べすぎを防ぐ食べ方

低糖質・低カロリーのおやつであっても、ダイエット中に食べすぎは禁物です。糖質制限中でも食べ方を工夫することで、少量でも満足感を得られやすくなります。ここでは、健康的にお菓子やおやつを楽しむポイントを4つ紹介します。
よく噛んで食べる
よく噛むことは脳の満腹中枢を刺激し、食べすぎの予防につながります。また、食欲を抑えるホルモンの分泌も高まると考えられています。ダイエット中の食事はもちろん、間食もよく噛んで食べるよう心がけましょう。
温かい飲み物と一緒にとる
温かい飲み物をゆっくり飲みながらおやつを食べることで、一気にたくさん食べるのを予防できます。飲み物は、糖質が含まれていない白湯やお茶、無糖のコーヒーなどを選びましょう。
食べる分だけお皿に取り分ける
大袋のお菓子は食べた量の把握が難しく、つい食べすぎてしまうことも。手元で食べる分だけ取り分けてから食べるようにしましょう。取り分けたあとは、お菓子の袋は見えにくいところにしまい、おかわりを防ぐのもおすすめです。
ながら食べをしない
テレビやスマホを見ながら、仕事をしながらなどの「ながら食べ」は、食べたという意識や満腹感が得られにくく、食べすぎにつながる恐れがあります。何かしながらではなく、食べることに集中し味わって食べましょう。
糖質制限中でもおやつを楽しみストレスのない食生活を続けよう

糖質制限をしていても、選び方に注意すれば間食を取り入れることは可能です。甘いものも甘くないものも、さまざまな食品が低糖質・低カロリーなおやつとして活用できます。
食事でストレスをためないよう、ダイエット中の栄養補給のために、糖質とカロリーを控えめにしながら適度な間食を取り入れるとよいでしょう。今回紹介した種類を参考にしながら、実際の製品の栄養成分表示を確認し、食べる種類や量を決めましょう。
また、糖質制限中は、ながら食べではなくきちんとおやつの時間を確保して、無糖の温かい飲み物と一緒によく噛んで食べ、健康的におやつの時間を楽しみましょう。