一度食べたら忘れられない「謹上蒲鉾」のプリッとしなやかな究極の歯ごたえ

鈴廣でもっとも売れている板かまぼこのひとつ「謹上蒲鉾」。すり身をつくる際に一般的な多くのかまぼこに使われるでんぷん粉を使用せずに、水、塩、熱のみを利用し、職人の繊細な感覚により魚本来の弾力と旨みを最大限に引き出した逸品です。

プリッとしなやかな歯ごたえと、噛み締めるほど口いっぱいに広がる魚の豊かな旨み、そしてすっとのどを通るのどごしのよさ……。一度食べたら忘れられないこの美味しさが、いかにして生まれるのか。今回はその秘密に迫っていきます。

魚選びから、自分たちの目で確認したものを

全国的にかまぼこに使われる魚種は、タラやムツ、イトヨリなど、また地域性の強いものだとハモやトビウオなどもありますが、鈴廣の「謹上蒲鉾」には、主にグチを使っています。グチは、しなやかな弾力と白くつややかな肉色、豊かな味と香りを兼ね備えた、かまぼこづくりにこれ以上ないほど最適な魚。このグチを一年の中でもっとも肉質の弾力が強い旬の時期に浜揚げし、その後すぐにすり身にして急速冷凍します。鮮度のいい状態ですり身にしなければ弾力は出なくなるので、このスピードも重要です。

そんなグチをメインにしていますが、季節によって変わる魚の肉質や脂ののりを見ながらタイ類やタラ類もブレンドしています。この配合も、魚種の特徴を熟知していないとできない職人技。目指す味と食感を実現するために、原料選びから徹底的に手をかけてつくられるのが、この「謹上蒲鉾」なのです。

鈴廣8代目9代目が作り上げたかまぼこ成形機

謹上蒲鉾」の成形は機械で行っています。機械での成形が手本にしているのが、鈴廣の職人たち。職人が手で成形することで生まれるかまぼこの食感をどう機械で実現するか。職人技を徹底的に分析して機械のメカニズムに応用します。

上の写真をご覧ください。成形機の口金と呼ばれる部分の中が三層に分かれているのがお分かりでしょうか。成形機の口金に送り込まれてくる身には高い圧力がかかりますが、この3層の構造によって口金から吐出する際に圧力が適度に分散されて、きれいな形に仕上がります。

成形機の形はかまぼこ職人が日々調整しています。

謹上蒲鉾の製造工程

「機械でつくるとはいっても、その日のすり身の状態によって、最終製品の形は微妙に変わります。この出来栄えに人一倍気を配り、少しの歪みがあれば機械を微調整したり、成形担当にその修正点を的確に伝え本来の形に正していかなくてはなりません」と、国家資格をもつかまぼこ職人は言います。

蒲鉾の工業化

この成形機械には鈴廣8代目9代目の熱い想いが詰まっています。かまぼこ職人が手づくりするしか手段がなかった頃、職人たちはかなりの重労働を強いられていたといいます。「このままでは担い手がいなくなるのではないか」と思った先代は、機械製造の道も模索し始めました。

謹上蒲鉾
当時は「機械でおいしいかまぼこをつくれるはずがない」という声が多かったようですが、機械の技師たちと試行錯誤し、かまぼこ製造の機械化に成功します。

鈴廣の職人が現在もすべて手でつくり上げる超特選蒲鉾「古今」は、職人10人が協力しても一日300本しかつくることができませんが、機械であれば1時間に2000本も製造することが可能に。さらに、超特選蒲鉾「古今」に比べて価格も抑えられるようになりました。

職人が成形する超特選蒲鉾「古今」と、職人技が光る機械で成形した「謹上蒲鉾」。それぞれ個性がありますので、このふたつ、ぜひ食べ比べてみてください。

弾力を楽しむなら「かまぼこピンチョス」

こうして生まれた「謹上蒲鉾」のプリッとしなやかな究極な弾力を存分に楽しむなら、ぜひ12mmのやや厚めにカットして。12mmはかまぼこ板の厚さなので、それを目安にするとよいでしょう。

まずは、何もつけずにそのまま。噛んだ時の弾力と、噛みしめるたびに溢れるみずみずしい魚の旨み、ふわりと鼻に抜ける爽やかな磯の香り、そして、のどごしのよさをじっくりと感じてみてください。

その後は、ワサビをお好みで。フレッシュな味わいのオリーブオイルを少し付けていただくと、より弾力を感じやすくなっておすすめです。

また、弾力を楽しむ料理にピンチョスがあります。

かまぼこピンチョス
シャキシャキの葉野菜やホクホクの根菜、濃厚なオリーブやチーズなどほかの食材と合わせることで、かまぼこの弾力と風味をより一層感じられるはずです。かまぼこピンチョスのレシピはこちらから

謹上蒲鉾メイン
洗練された味わいの「謹上蒲鉾」は、「謹上=つつしんで奉る」の名のとおり贈り物にも最適。それだけでなく、手頃な価格なのでご自宅用に合わせて購入される方も多くいらっしゃいます。職人たち渾身の本物の味を、ぜひさまざまなシーンでお楽しみください。

Photography by Hiyori Ikai, Written BY Tomoyo Tsuchiya

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