香典返しをする時期とは?いつまでにお返しすればいい?

近しい方がなくなり、お香典をいただいたとき。お香典返しはいつまでにすればいいのかが気がかりだと思っている方も少なくないと思います。
葬儀後には、悲しんでいる間もなく、埋葬・法要・相続手続きなど、思った以上にやるべきことが多く忙しいものです。お香典返しまで考えるのは大変です。

この記事では、香典返しの時期について説明いたします。香典返しをする際のマナー・相場などについても紹介していきます。
香典返しの時期やマナーを理解し、葬儀の際にお世話になった方への感謝の気持ちを伝えましょう。

香典返しとは?

香典返しとは、いただいた香典に対するお返しの品物や、その品物を贈ることです。
香典は、故人の友人、知人から故人への最後の贈り物という側面もあるので、香典返しは、基本的には故人の代行としてお返しをすることがマナーとなっています。
弔事が無事に終わったことの報告や、お世話になった感謝の気持ちを込めて、香典返しという形でお礼をするという役割もあります。
しかし、香典返しが不要な場合もあります。これについては、後ほど詳しく説明します。

香典返しの時期

香典返しを贈る時期は、地域や宗教によっても異なります。ここでは、具体的な香典返しの時期について説明します。

当日返し

香典をいただいた当日にお返しをすることを「当日返し」といいます。
葬儀当日に、参列者全員に感謝の気持ちを込めて香典返しを渡し、お持ち帰りいただきます。
この場合、参列者全員に同じお返しをすることになるので、高額の香典の場合は、四十九日開けくらいに改めて香典返しをしておきましょう。

忌明返し

いただいた香典を忌明後に返す形式のことを「忌明返し」といいます。
通常は四十九日の法要を終えてから2週間以内に贈ります。
忌明返しをする予定であれば、葬儀当日は会葬品のみを渡し、後日改めて一人一人に香典返しをすることになります。
仏教、神道、キリスト教と、宗教によって忌明の時期には違いがありますので、それぞれの場合について説明します。

◆仏式
仏式の香典返しの時期は、故人が亡くなってから七日後、一ヶ月後、そして四十九日後です。

【七日後】
仏教では、命日から七日目に、「初七日」という法要をおこないます。
葬儀のため忌引きをしていた際には、初七日の法要を終えて出社した際に香典返しを贈ることがあります。
【一ヶ月後】
特にお礼を申し上げられないまま命日から一ヶ月ほど経過してしまい、四十九日の法要の案内の前に早めに挨拶をすませておきたいと思うなら、法要の出欠席のお伺いも兼ねて香典へのお礼とお返しをするとよいでしょう。
また、五七日忌という亡くなってから三十五日目という時期に香典返しを贈ることもあります。
【四十九日後】
最も一般的なのは仏教の忌明である四十九日後に香典返しを贈るケースです。
四十九日の法要を済ませた後、無事に終わったことの報告とお世話になった感謝の気持ちを込めてお返しをします。

◆神式
神式でのお返しは、十日祭、三十日祭、そして五十日祭の時期におこないます。

【十日祭】
十日祭とは、仏教での初七日にあたる法要で、命日から十日目におこないます。
初七日同様、忌引きでお休みしていた方が出社した際にお返しをすることが多いです。
【三十日祭】
三十日祭とは、命日から一ヶ月後に行われる儀式のことです。
忌明けの法要を案内するタイミングで、この時期にお返しを贈ることも多いです。
【五十日祭】
最も一般的なのは神道での忌明である五十日祭の後というタイミングです。
納骨も五十日祭と同時期に行われることが多いため、法要と納骨を無事終えたという報告も込めてお返しをします。

◆キリスト教
キリスト教では本来、香典返しという習慣はありませんでした。 しかし、最近ではお花料をいただいた方へお礼品を贈ることも増えてきています。

故人が亡くなってから一ヶ月後が忌明にあたり、プロテスタントでは「昇天記念式」、カトリックでは「追悼ミサ」という儀式が行われます。
お花料へのお返しは、忌明後2週間以内におこないましょう。

香典返しする際に注意するポイント

香典返しを贈る際にも、守るべきマナーがあります。ここでは特に注意すべきポイントを説明します。

郵送していいの?

本来香典返しは、手渡しが基本でした。しかしこれは、葬儀に参列してくださった方が近所に住んでいることが多かったからです。
遠方からも来てくださる方が増えた現代、郵送することは失礼ではなく、むしろ自然な手段です。
郵送する際の注意点は、相手に届く時期がお盆・お彼岸・年始にあたらないようにすることです。
また、相手側に結婚式や誕生日などのおめでたい行事がある日の到着も避けるようにしましょう。

お礼状は添えるの?

香典返しにはお礼状が必要です。品物を贈らない場合でも、お礼状は必ず送るようにしましょう。
お礼状には、香典をいただいたことへのお礼はもちろん、生前故人がお世話になったことへの感謝の気持ちや故人の戒名・弔事が終わった報告などを記します。
また、本来ならば顔を合わせてお礼すべきところ、お礼状という略式の形を取ることを詫びる文章も書き添えるとよいでしょう。

会社への香典返しは必要?

会社などの公的機関の中には、香典返しの受け取りを禁止している場合もあります。
会社名や部署名などで受け取った香典に、「香典返し不要」との記載があれば、必ずしもお返しをする必要はありません。
お礼状のみを送ったり、複数人で分けられる菓子折りを贈ったりすることで感謝の気持ちを伝えましょう。
上司や取引先などの個人名義で受け取った場合には香典返しを贈ります。
しかし、こちらも「香典返し不要」と記載されていれば、お礼状のみのお返しや、お歳暮・お中元などを代わりに贈ることをおすすめします。

香典返しが必要でない場合

一般的にはいただいた香典にはお返しをすべきとされていますが、上でも説明したとおり、ときにはお返しが必要ない場合もあります。どんな場合かは、以下で説明します。

◆故人が一家を支える存在だった場合
一家を支える大黒柱が亡くなった場合など経済的に大きく環境が変わってしまう場合は、無理に香典返しをする必要はありません。
香典には、葬儀などの急な出費を抱える遺族を扶助する、という目的もあるからです。

◆弔電や手紙のみの場合
品物としての香典はなく、弔電や手紙などでお悔やみ言葉のみをいただいた場合は、香典返しを贈る必要はありません。
気遣いに感謝し、無事に弔事を済ますことができたという報告も込めて、お礼状のみ出しましょう。

◆香典返しを辞退された場合
いただいた香典に、「香典返し不要」と記載されていることがあります。香典返しを辞退された場合については、この後で説明します。

香典返しを辞退された場合のお返し

香典を用意する際、複数の方が連名で贈る場合や、贈り主が遺族への思いやりの気持ちを表す場合などに、「香典返し不要」と記載することがあります。
この場合、無理に香典返しを贈る必要はなく、お礼状を送るだけで構いません。
特に、公的機関などでは香典返しの受け取りを禁止としているところもあります。無理に香典返しをすることで、逆に迷惑となってしまうことがあります。
お礼状だけでは気が済まない、お返しとして品物を贈りたい、という場合は、代わりにお中元やお歳暮を贈ったり、会食に招待したり、香典返しではない別の手段でお礼の気持ちを伝えるとよいでしょう。

香典返しの相場

香典返しで贈る価格の品物の相場は地域によって異なります。
関東では、いただいた香典の半額程度の品物を贈る「半返し」、関西では、いただいた香典の3分の1程度の価格の品物を贈る「3分の1返し」が一般的です。
当日返しの場合は、一律で2,000〜3,000円程度の品物を贈ることが多いです。
関東でも、30,000円を超えるような高額を香典としていただいた場合や、親族から受け取った香典は、半返しまではしなくてよいとされています。
また、一家を支える大黒柱が亡くなった場合は、遺族は経済的に厳しい状況におかれるため、3分の1返しまたは香典返しをしなくてもよいとされます。

香典返しでよく選ばれる品物

香典返しでは、悲しみや不幸が消えるように、という意味を込めて、長く残らない「消えもの」、つまり消耗品がよく選ばれます。
特にお茶やコーヒー・伊達巻・乾物・かまぼこ・お菓子などの食品、洗剤や石鹸などの日用品が人気です。
また最近では、相手が好きな品物を選べるカタログギフトを贈ることも増えています。
しかし、消えものである食品の中でも肉やその加工品、酒類、昆布などは不祝儀には向かないので、なるべく避けるようにしましょう。

まとめ

葬儀の当日か、忌明後すぐに香典返しを贈りましょう。
その際にはいただいたものの3分の1〜2分の1 ほどの価格で、消えものを選ぶのがおすすめです。
お礼状も忘れずに添えましょう。
香典返しによく贈られる食品として、かまぼこ、伊達巻などが挙げられます。
香典返し用のセットもありますので、興味のある方はぜひ下記サイトもご覧ください。

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