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皆様、こんにちは、こんばんは。
「かまぼこのお供に音楽を」をコンセプトに音楽セレクトを担当しています、fountain 2 fountainのスズキショーンショウスケです。
10月には「清秋」という季語があります。
大陸上空から冷たい空気が流れ込み、目に映る景色や耳に届く音までもが澄んでいるように感じられるという表現です。
今月こそ清秋を感じられるようにと願いを込めて、9月 13 日に 89 歳で逝去したブラジル音楽界の奇才、エルメート・パスコアール氏に焦点を当てたいと思います。
同氏は1936 年ブラジル北東部アラゴアス州に生まれました。幼少期はアルビノであったため農場での作業に参加できず、家の中で父親のバンドネオン(アコーディオンに似た楽器)を何時間も奏でていたといいます。少年時代にはバンドネオンに加えてタンボリンやフルートなども自在に操り、わずか 14 歳で地元ラジオ局の番組に出演し、プロとしてデビューを飾ります。
1970 年にはアメリカに渡り、マイルス・デイヴィスのアルバム「Live Evil 」に楽曲「Nem Um Talvez」を提供したことで、世界中にその名を知られるようになります。その後ブラジルに帰国し、「Slaves Mass」、「Ao Vivo」 といった名盤を発表。さらに 2024 年には、亡き妻への思いを込めた新作アルバム「Pra você, Ilza」を世に送り出しました。晩年に至るまで創作意欲を失わなかったことにも驚かされます。
「魔術師」と呼ばれた同氏の特徴は革新性です。どんな場所でも音を聞き取り、時に日用品や自然の音までも取り入れてしまう。ボサノバやジャズ、ファンクの境界を飛び越えて、新たな音楽を生み出してしまう。そんな魔法のような楽曲は、夏を思い返しながら、清らかな秋の気配へと気持ちを切り替えるのにぴったりです。
今月のプレイリストを聴き終えるころには、心身の火照りがすっと落ち着いているでしょう。
それでは、来月もここでお会いしましょう。
fountain 2 fountain
スズキショーンショウスケ
1. Fabiola – Hermeto Pascoal
2. Bebe – Hermeto Pascoal, Doug deVries, James Macauley
3. Remelexo – Hermeto Pascoal
4. Bem vinda – Hermeto Pascoal
5. Little Cry for Him (Chorinho Pra Ele)- Hermeto Pascoal
6. Muriama – Hermeto Pascoal
7. Recordações de Recife – Hermeto Pascoal, Ajurinã Zwarg, Andre Marques, Fabio Pascoal, Itiberê Zwarg, Jota P
8. Jurema Preta No.1 – Ceguinhas De Campina Grande, Hermeto Pascoal
9. Música da Lagoa – Hermeto Pascoal, Itiberê Zwarg, Jovino dos Santos Neto, Carlos Malta, Marcio Bahia
10. São Jorge – Hermeto Pascoal
11. Nem um Talvez – Miles Davis, Hermeto Pascoal
2018年に発足
時間、場所、そして季節に合わせた音楽セレクトとプロデュースを行う音楽レーベル
Instagram: https://www.instagram.com/fountain_2_fountain/