実はこれも、かまぼこでした

ぷちかま記者:

こんにちは!ぷちかま記者です。今日もかまぼこ界のスクープを追っていきます。本日は、かまぼこカリブさんに来ていただいています。かまぼこカリブさん、よろしくお願いいたします!

かまぼこカリブ:

こんにちは!よろしくお願いいたします!

記者:

今日は日本全国、さらには世界まで、いろいろなかまぼこ事情を見ていきたいと思います。最近知ったのですが、ちくわやさつまげ、はんぺんも、みんなかまぼこの仲間なんですね。日本全国、こんなにかまぼこは種類があるみたいです。どーん。

『かまぼこのひみつ』(世界文化社)より

記者:

ちなみに、かまぼこカリブさんには、好きなかまぼこはありますか?

カリブ:

うーん、やっぱり板かまぼこですかね。プリプリした食感がたまりません。 小田原かまぼこに使われるオキギスぶくろが金色のお話は前回のコラムでも話しましたが、子供のころ、相模湾さがみわん深海釣しんかいつりをしていた時によくれたんです。正面から見ると顔がとてもかわいかったのが印象的です。

記者:

そうなのですね!私はささかまぼこが、なんだか好きです。

カリブ:

宮城県のささかまぼこにはヒラメが使われています。ヒラメといえば、平らな身体に左側に寄った目が有名ですが、実はヒラメの赤ちゃんは他の魚と同じように左右に目がついているんです。生後二週間ほどで、だんだんと目が寄っていってしまいます。

左:大人のヒラメ 右:ヒラメではなくダルマガレイの仲間ですがヒラメと同じく幼魚ようぎょの時は目が左右にあります

記者:

ちなみに、カレイとはどこが違うんですか?

カリブ:

左ヒラメに右カレイ、が有名ですが、他にも口の形が違います。ヒラメはキバのある大きな口特徴とくちょうです。

記者:

これで見分けられるようになりそうです!マップを見ていると、静岡県の黒はんぺんなど、意外と黒いかまぼこも多いんですね。

カリブ:

小田原かまぼこには白身魚が使われますが、黒いかまぼこには主に赤身魚が使われています。例えば、サバ、アジ、イワシなど、馴染なじみ深い魚たちです。

記者:

え、サバやアジ、イワシって、赤身魚なんですね!青魚かと思っていました。

カリブ:

魚は、白身と赤身に分かれるんです。赤身魚には、筋肉きんにく色素タンパク質のミオグロビンと、血液色素タンパク質のヘモグロビンが多くふくまれています。科学的には、この2つの物質の量によって赤身魚と白身魚は分けられています。青魚というのは、魚の外見から分類されているもので、少し違うんです。

記者:

そうだったのですか!

カリブ:

黒はんぺんにも使われるイワシは、大きな群れを作って行動しています。背中せなかが黒っぽいのは、海の藍色あいいろ馴染なじんで、空からのてきに見つかりにくいようにするため。お腹が銀色なのは、下から見上げたときに、海面の光にむためだと言われています。とはいえ、その群れはてきおそわれながら、どんどん小さくなってしまうんです。自然はきびしいですね。

記者:

魚もいろいろな工夫をしているのですね……。そういえば、はんぺんもかまぼこの仲間ですが、実はヨシキリザメやアオザメといった、サメが使われるそうなのです。昔は、ホシザメというサメが使われていたそう。

カリブ:

サメも、実はよく食べられていますね。特にホシザメは、味がよいことで有名です。他にはネズミザメという、3mほどまで成長するサメも東北地方ではよく食べられています。よくれる代表的なサメということで、東北地方では真のフカ(サメ)「真フカ」がなまって、「モウカザメ」とも呼ばれています。

記者:

サメ自体を食べるイメージがあまりなかったので、おどろきです!せっかくなので、海外のかまぼこも見てみましょう。

『かまぼこのひみつ』(世界文化社)より

記者:

練り製品は、日本が世界で消費量ナンバーワンなんですね!

カリブ:

さすが、魚食大国ですね。

記者:

スペインの「アングーラス」はうなぎの稚魚ちぎょですが、価格高騰かかくこうとうにより似せて作ったのが「グーラス」という、小魚形のかまぼこだそうです。バスク地方が有名だとか。

カリブ:

日本のカニカマにも、近いかもしれませんね。

記者:

日本にも世界にも、まだまだたくさんのかまぼこがありますね。これからは、どんな魚が使われているのかにも注目しながら、おいしくいただきたいと思います。かまぼこカリブさん、どうもありがとうございました!