魚肉たんぱく同盟コラムVol.11

「競技も食も深く理解したい」 車いすバスケ・三元大輔が求めたのは本物のかまぼこ

2021.08.30

アメリカでキャリアを積み、車いすバスケを探求してきた異色のアスリート・三元大輔。彼の探究心は食にまで及んでいた。いつしかタンパク質の摂取方法に課題を感じるようになり、ようやく出会ったのが鈴廣かまぼこだった。

三元大輔選手プロフィール
16歳の時に、癌を発症し、抗がん剤の副作用で車いす生活に。2009年、大学進学を機に車椅子バスケを始めると、異例の速さで頭角を現し、翌年には全国ジュニア選抜車いすバスケットボール大会で優勝、ベスト5に選出され、U-23 日本代表になる。2013年には、アメリカの車いすバスケの環境に感銘を受け、翌年、大学卒業を機に単身渡米。アリゾナ大学で3シーズンを過ごし、チームの全米ベスト4入りに貢献。この活躍が、名門テキサス大学のコーチの目に止まり、2016シーズンから特待生としてテキサス大学に所属し、日本人史上3人目となる全米大学選手権優勝を果たす。2019年より東京へ拠点を移し、パリ五輪に向けて活動中。

三元さんは、高校生のときに病により車いすを使う生活になったそうですが、どのような病だったのでしょうか?

16歳の時にユーイング肉腫という骨や筋肉のガンを患いました。少し股関節が痛いなと思っていると、今度は頻尿の症状があらわれ、おかしいなと思って病院に行ったところ、腫瘍が大きくなって膀胱を圧迫していることがわかりました。腫瘍が接している腹筋や太ももの内側の筋肉まで取り切らないと再発の恐れがあったので、まずは抗がん剤治療で腫瘍を小さくし、その後に手術をした結果、下肢や体幹に障がいが残ってしまい、車いすを使う生活になりました。

車いす生活になることがわかった時はどのような心境でしたか?

それまではサッカーをしていましたが、手術する前に医師からの告知があり、「頑張ってリハビリをすれば、歩行はできるかもしれないが、走れないし、サッカーもできなくなる」と言われました。でもあんまりショックじゃなくて、「しょうがないな」という感覚でしたね。

その後、どのようなきっかけで車いすバスケを始めたのでしょうか?

「リアル」という車いすバスケットボールを題材にした漫画を読んでいたので、競技のことは入院する前から知っていました。手術後にそれを思い出して、すぐに調べてみたところ、自宅の近くにクラブチームがあることがわかり、練習させてもらいに行ったのが最初でした。その後、大学に合格して東洋大学の朝霞キャンパスへ通うことになり、近くで活動している埼玉ライオンズというチームに所属しました。そのチームは全国的にもレベルが高く、また同年代の選手がたくさんいたこともあり、徐々に車いすバスケの世界にのめり込んでいきました。

車いすバスケットボールは、どのようなスポーツですか?

下肢などに障がいのある選手が、競技用車いすを操作しながらプレーするバスケットボールです。使用するコートやリングの高さは一般のバスケットボールと同じですが、選手には、障害レベルの重さによって1.0-4.5の持ち点が定められていて、試合に出る5人の選手の持ち点の合計が14.0以内となるようにチームを編成して戦わなければならないというルールがあります。また、車いすバスケは、ジャンプができないという特性があるので、一般のバスケットボールよりも平面的なゲームになりますが、その分スピーディなパスワークや、入れ替わりの激しい攻防が魅力のスポーツです。

三元さんは、車いすバスケの本場・アメリカに渡っていますが、なぜアメリカに行こうと思ったのでしょうか?

先輩の紹介で、アメリカで行われるエリートキャンプに参加することになりました。アメリカでは、ハード面の環境の良さはもちろんのこと、それ以上に驚かされたのが、コーチングの質でした。それまではがむしゃらに練習をこなして上を目指していましたが、アメリカでは、コーチングのプロが、どういう目的で練習するのか、なぜこの練習をするのかを提示してくれたんです。そのことに感銘を受け、「この環境ならもっとバスケを深く理解できるのではないか」と考えて、アメリカに留学することにしました。

日本とアメリカでプレーして、競技における違いは感じましたか?

日本の場合は、スピードを生かして戦術を組み立てるのが特徴です。それは日本の良さでもありますが、一方でアメリカの場合は、シュートを打つまでにチーム内でしっかりイメージの共有があって、5人全員でシュートのシチュエーションを作っていく戦術理解の高さがあります。その前提となるのが、ファンダメンタルといって、全選手に共通する基礎であり、そのベースの上に、選手の個性が乗っかっていて、日本よりも様々な個性の選手がいて、選手はその個性を生かしてプレーします。また選手を評価する軸がたくさんあるのも特徴ですね。

車いすバスケの本場らしく、競技がより高度化しているんですね。生活面でも日本とは違いを感じましたか?

物理的なバリアフリー化は、日本の方が進んでいると感じました。アメリカはガタガタした道も多いし、リフトも力が必要だったりします。でもアメリカの良いところは、「いろんな人がいる」ということをみんながわかっていて、それを皆が許容しているんです。大学のキャンパス内では、障がい者にもよく会うし、授業に手話通訳の人がついていることも当たり前。バスを乗るときも、運転手がいつも当たり前のように手伝ってくれました。障がい者が社会に出て一緒に生活することに皆が慣れていて、ソフトの面ですごく進んでいるなと感じました。

アメリカではすでに成熟した共生社会が実現されているんですね。そのアメリカで三元さんは数年間プレーし、全米大学選手権優勝などの成績を納めています。その間、どのような生活を送っていたのでしょうか?

大学では朝7時から練習が始まるのですが、僕は5時半に起きて朝食を食べ、6時にはジムに行ってウォーミングアップをしていました。さらに練習が終わった後には早めの昼食をとり、授業を受けて、その合間に間食をし、自宅に帰って夕飯を食べて寝るという生活でした。授業もちゃんと受けていましたし、自宅では勉強もしっかり行なっていたので、忙しかったですね。

4食! 栄養面で気をつけていたことはありますか?

日中は学内のカフェテリアで食べるので、どうしても肉料理が多くなってしまいます。だから朝・晩は自炊し、たんぱく質と炭水化物をしっかりとることに気を使っていました。ご飯を炊いたり、パスタを作ったりして炭水化物をとり、タンパク質は、お魚や卵、缶詰などを活用していましたね。

現在は日本で生活されていますが、アメリカでの食事と比べて、変わったことはありますか?

アメリカの頃に比べると、いまはトレーニングの量が少ないので、太らないように、食事は2食にしています。お昼に食べて、トレー二ングをして夕食を食べるという生活ですね。ただ、栄養面では、アメリカでやってきたことと変わりはありません。たんぱく質を中心に考えて、運動量によって炭水化物の量をコントロールしているようなイメージですね。

障がい者アスリートならではの食事面の取り組みや、食事に対する課題はありますか?

一般的に車いすアスリートの場合、障がいの程度によっては、全身運動ができないアスリートもいます。例えば脊損の方だと、激しい運動をしているように見えても、実は腕の筋肉しか使っていないということもあると思います。そのような人は思った以上に食事量は必要ないかも知れません。僕の場合は、自分で動かせる筋肉も多く、消費カロリーも多いので、そこまでは気にしていません。食事に対する課題としては、魚からタンパク質をとるのが難しいということでしょうか。

その点で、かまぼこはいかがでしょうか?

手軽に取れる魚肉タンパクという点で、すごくいいなと思いました。僕は、これまでに何度か肉を食べずに、魚や卵からタンパク質をとる食事法を試みたことがあるのですが、挫折しているんです。でも、かまぼこがあれば、バリエーションも増えますし、また挑戦できるんじゃないかと思います。

肉ではなくて魚を中心にしたいと思った理由はなんでしょうか?

食べ疲れですね。肉を減らすと体の調子が良くなるんです。多くの人は、お肉と魚の割合は8:2くらいじゃないかと思うんですけど、それを正反対にするとすごく体の調子が良くなるんですよ。

タンパク質を肉と魚のどちらから摂るかで、コンディションが大きく変わるということでしょうか?

僕らは毎日、同じルーティーンを繰り返して生活をしているので、体の調子にはすごく敏感なんです。肉を食べると、消化のために内臓が働き、消費エネルギーも大きくなって疲れるんです。消化活動を軽減できたら、トレーニングもハードに追い込めますし、睡眠の質も良くなりリカバリーも早いんです。だから以前からずっと、肉よりも魚からタンパク質を摂取したいと思っていました。

確かに、魚は食べ過ぎても、胃もたれしないですね。三元さんは、鈴廣のかまぼこを食べましたか?

はい、食べました。とても美味しかったです。

これまで食べたかまぼことは違いを感じましたか?

かまぼこって、プリプリした食感が好きじゃないという人もいると思うんです。もしかしたら、科学的に固めているというイメージを持っているのかも知れません。でも鈴廣のかまぼこは、「魚のすり身を食べているな」という感じがしました。プリプリした食感を残しつつも、咀嚼しやすくて、すごく食べやすかったです。

「美味しんぼ」という漫画でかまぼこが題材の回で、本物のかまぼこを探求するシーンがあるんですけど、まさに本物のかまぼこってこういうものなんだなと思いました。

鈴廣かまぼこは、お刺身よりも消化が良いという研究結果も出ています。

そうなんですね(驚)。タンパク質の消化性はすごく大事なポイントですよね。タンパク質を摂ると「食べた!」と感じることはできますが、一方でその後には動きづらさを感じるんです。だから消化時間を計算して、トレーニング開始時間から逆算して食べないといけないのがすごく面倒だと感じていました。でも、かまぼこなら消化吸収性に優れているということですので、練習前に食べておきたい時にも良さそうですし、練習後の捕食にも良さそうですね。

かまぼこの活用シーンが広がりそうですね。

冷蔵庫の中にストックしておいて、たんぱく質が足りないなと思った時に、いつでも食べられるのがいいですね。普段の食事に気軽に足せるのも良いと思います。これまでは、タンパク質を足したいときは、ゆで卵を作るくらいしか手段がなかったので、かまぼこが加わると一気にバリエーションも増えそうです。例えば、お肉を少し食べて、さらにかまぼこを食べるのも良いですし、チャーハンのように一品だけで食事を済ませてしまう時でも、具材にかまぼこを足すだけでバランスがよくなります。その「ちょい足し」の感じがすごくいいですね。


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ぜひ日常生活にかまぼこを取り入れてコンディションを上げていただき、近い将来は、車いすバスケで日本代表に選ばれて、新しい風を吹かせてください。

はい、そうなれるように頑張ります。

書き手:瀬川泰祐(スポーツライター・エディター)

株式会社カタル代表取締役。HEROs公式スポーツライター。Yahoo!ニュース個人オーサー。ファルカオフットボールクラブ久喜アドバイザー。ライブエンターテイメント業界やWEB業界で数多くのシステムプロジェクトに参画し、サービスをローンチする傍ら、2016年よりスポーツ分野を中心に執筆活動を開始。リアルなビジネス経験と、執筆・編集経験をあわせ持つ強みを活かし、2020年4月にスポーツ・健康・医療に関するコンテンツ制作・コンテンツマーケティングを行う株式会社カタルを創業。取材テーマは「Beyond Sports」。社会との接点からスポーツの価値を探る。
公式サイト http://segawa.kataru.jp