魚肉たんぱく同盟コラムVol.9

共通点は「きっかけづくり」サッカー界屈指の料理男子・松本翔が見た鈴廣かまぼこの可能性

2021.08.20

料理の写真が並ぶSNS。一見すると料理人のアカウントのように見える。だがそのSNSの投稿主は、なんとプロ11年目のイケメンサッカー選手だった。料理を発信するサッカー選手とかまぼこ業界の老舗・鈴廣かまぼこ。この両者はなぜ惹かれあったのか? そこにはある共通した思想があった。

松本翔選手プロフィール
横浜F・マリノス、愛媛FC、レノファ山口などで活躍し、現在はJFL・MIOびわこ滋賀に所属するサッカー選手。認定こども園で保育の仕事をしながら、サッカー選手として活動している。ツイッターのフォローワーは2万人を超える。

競技を始めたきっかけは?

サッカーを始めたのは3歳の頃でした。4つ上の兄がサッカーをしていたので、物心がついたときにはボールを蹴っていました。

松本翔選手

その後、Jリーガーになるまで、どのようなキャリアを歩んできましたか?

兄が横浜フリューゲルス(かつて存在した日本のプロサッカークラブ。横浜マリノスと合併して横浜F・マリノスとなった)のジュニアチームに所属していたので、小学1年生のときには、プロになることをイメージしていました。その後、小学4年生のときに、横浜F・マリノスのジュニアチームのセレクションに合格し、小学6年生のときには、全国少年サッカー大会で優勝することができました。ジュニアユースでは全国大会ではいい成績を残せませんでしたが、ユースに昇格し、高校2年生のときに日本クラブユースサッカー選手権で得点王、さらに高校3年生のJリーグユース選手権大会で全国優勝に加えて得点王になり、トップチームに昇格をすることができました。

松本翔選手

Jリーガーになるまで順風満帆な道のりだったように見えますが、学生時代に挫折を経験したことはありますか?

一見すると、順調にキャリアを歩んでプロになった選手のように見えるかもしれません。でも、実際には、その時々で苦しいことはたくさんありました。中でも一番大きかったのは、高校3年生の時に、一度「トップに昇格できない」と言われたことでした。進路を探すために大学の練習にも参加したこともありましたが、その後の試合で活躍してトップに昇格できることになりました。その時が一番苦しかったですね。

松本翔選手

その後、Jリーグから地域リーグまで経験し、7チームを渡り歩いていますが、いまもすごく生き生きしているように思います。

プロサッカー選手としてのキャリアは決して成功とは言えないかもしれませんが、引退する時に、悔いなく毎日をやり尽くしてきたからこそ、これまでやってきたことを「成功」と言えるよう、いろいろな経験を積んでいる実感はあります。

プレースタイルにも変化はありましたか?

プロになった当時と今ではプレースタイルも180度違います。当時は主にサイドハーフの選手だったので、個人で打開するためにドリブルやクロスの精度を特徴としていました。また自分のストロングポイントでもあるプレスキックで試合を決めるような役割もしていました。でも、試合に出られない時期も経験し、自分の中でできることや役割を模索してきたつもりです。今は誰よりも動き回り、仲間が気づかないところに気が付くようなところに重きを置き、基礎技術やキックを武器として、チームが勝つために自分を捨ててでもチームのためを考えるようにしています。

ご自身が変化していったのには、何かきっかけがあったのでしょうか?

2016年に所属チームがない時期を過ごして、改めて「チームスポーツって素晴らしいな」と感じました。個人で何かをするよりも、チームで戦うことの大切さを感じてから、自分が変わったと思います。

松本選手を見ていると、それぞれが「自分なりの正解」を持っていいのだなと感じます。いま松本選手はサッカー選手の成功をどのように捉えていますか?

サッカー選手である以上は、海外やJリーグのトップでプレーしたり、日本代表に選ばれて活躍することが理想だと思います。でも、そこまではいけなくても、こういう選手もいるんだということを、子どもやこれから上を目指す若い選手たちにも知ってもらいたいです。

松本翔選手

自分だけのサッカー選手像を目指している中で、具体的に取り組んでいることや心がけていることがあれば教えてください。

練習場には誰よりも早く行くことにしています。もちろん練習場に長くいることが良いと言いたいわけじゃありません。でも、仕事とサッカーを両立させるには、やるべきことを少しでも前倒しでやっておくことが、とても重要だと感じるようになりました。結局、いろんな逆算をしていくと、練習前にやっておくなど、人が見ていないところでどれだけやれるかで、生まれる差があると思っています。

松本選手はSNSも積極的に活用しています。SNSはどのような思いで発信しているのでしょうか?

ここ数年は料理や食事に特化していて、どちらかというとサッカー以外の層の方々に対して発信しています。パーソナルな部分を知ってもらってから、サッカー選手であることを知ってもらうと、一気に親近感を持ってもらえて、「観たい」と言ってもらえるんです。食事は生活に欠かせないものなので、近い存在に感じてもらえているのかもしれませんね。

食事・栄養に対する意識を持ったのはいつ頃からでしょうか?

もともと横浜F・マリノスで、栄養に関する指導を受けていたので、前提知識はあったと思います。ただ、自分の中で大きなきっかけとなったのは、中澤佑二さん(主に横浜F・マリノスで活躍した元日本代表のサッカー選手)の食生活や日々の生活のストイックさに触れてからです。「代表トップクラスの人がここまでやっているなら、僕のような若い選手は、これ以上やらないといけない」と感じ、とことんやるようになりました。また、自分で料理を作るようになったのは、プロ入り3年目に、愛媛FCにレンタル移籍して、一人暮らしをするようになってからですね。

現在はどんな食生活を心がけていますか?

バランスよく、量もしっかり食べるようにしています。ただ、練習が午前中で仕事場には家に帰らずその向かうので、コンパクトに食べられるものを持っていくしかありません。夜も、炭水化物を抜くこともありませんし、試合前だからといって炭水化物を多く摂るようなこともしていません。タンパク質を意識することは大前提として、常に同じような食生活を心がけ、慣れたものを食べて試合に挑むようにしています。ただ、仕事もハードなので、日によっては「今日は自炊するのはキツいな」というときは外食にするなど、自分を苦しめないようにしています。

好きな食材、よく食べる食材はありますか?

小さい頃から、肉より魚が好きだったので、いまも魚を食べることが多いです。料理や食事のことを意識し始めてからは、チームメイトの食べ方、遠征にいった時のバイキングでの料理の取り方、焼き魚の食べ方まで気にするようになりました。その人の人間的な部分が食事からわかるので、とても面白いんですよ。

具体的にはどのようなところを観察しているのでしょうか?

例えば、バイキングでは、魚を取る人が少ないんです。焼き魚で骨があるから食べづらいという印象を、小さい頃からの経験で持っている選手は肉中心になっているのだと思います。また遠征先では、そのホテルが出してくれる食事に対して、自分たちが適応していかないと試合のパフォーマンスが落ちてしまいます。以前、前日の夕食の雰囲気を見て、「明日の試合は怪しいな」と感じたことがありました。実際に試合では、チーム全体が動けずに低調な試合をしてしまったことがありました。

周りの人の様子から、食とパフォーマンスの関係性を考察しているんですね。

食が自分のパフォーマンスに直結していることはすでにいろんなところで論じられていますが、自分で選ぶ力が身についていない選手が多いと感じています。誰かが料理を作ってくれているうちは、自分に知識がなくても、出されたものを食べるだけで良いですが、成人になると自分で料理を選ぶ力が問われるようになるんですよね。

松本選手は、色々なカテゴリーを経験していますが、サッカー選手の食・栄養への意識は、カテゴリーによって異なるとお考えでしょうか?

トップカテゴリーでは、お金に余裕がある分、お金を出せば外食もできますし、栄養士をつけることもできます。一方で、下のカテゴリーになると、なんとかして「やりくり」しないといけません。いいものばかりを食べられる余裕がないので、取り組み方には違いがあるかもしれませんね。

松本選手がSNSで発信しているレシピを参考にしているアスリートも多いのでしょうか?

女性アスリートの方が参考にしてくれて、声をかけてもらうケースは多いです。特に女子サッカー選手は、仕事と競技を両立していて、毎日自炊している選手が多いので、同じサッカー選手として真似しやすいのかもしれませんね。

松本翔選手にとって食事とはどのようなものか?

「人を幸せにするもの」ですね。そのために大切にしているのは、食事を楽しむということ。いくら良いものが食卓に出されても、それをただ黙々と作業しているかのように食べていては、身になりません。それよりも、仮に70%の内容の食事でも、楽しみながら食べる方が体のためにもなるし、心のためにもなると思っています。食事は心とも直結しているんです。

大切な食事の中でも、タンパク質の摂取については、日常的に意識していることがあると思います。どのような点を意識していますか?

動物性か植物性かを考えながら、3食の中で必要なタンパク質量を摂るようにしています。どうしても忙しい時にはプロテインで摂取することもありますが、なるべく食事から摂ることを心がけています。

先ほど魚が好きとおっしゃっていましたが、魚=タンパク質源という知識を持っている選手はどのくらいいるのでしょうか?

僕は知っていましたが、それを理解している選手はあまりいないと思います。ほとんどの選手はタンパク質といえば、肉を思い出すのではないでしょうか。きっと、かまぼこが何からできているかを知らない選手もたくさんいると思いますよ。

かまぼこはお好きですか?

はい、好きです。僕はおせち料理が好きですし、親が仙台に単身赴任していたことがあるので、「笹かま」などのすり身に対して親近感がありました。

あとは、最近、料理にも使いやすいことがわかりました。これまでは、かまぼこは、そのまま食べるイメージでしたが、色んなレシピを調べてみると、意外と炒め物や和え物で使われています。もっと身近に取り入れられる食材だということを再確認しましたね。

最近は、かまぼこをどのようにアレンジして食べましたか?

肉巻きにしました。これまでかまぼこと言うと、副菜とか、添え物、箸休めで食べるイメージでした。これをどうにかメインに使いたくて、野菜の代わりにかまぼこを使って肉巻きにしたんです。あとは親子丼の鶏肉の部分をかまぼこにしたり……。揚げてみても美味しそうですね。

肉巻きにしてみた感想はいかがでしたか?

美味しかったですし、違和感も全くありませんでした。豚肉の脂でパンチを効かせてあげると、かまぼことの相性も良さそうだなと思って作りましたが、イメージ通りでした。

他の選手にかまぼこをすすめるとしたら、どんな食べ方をオススメしますか?

いまクラウドファンディングをしている「パーフェクトプロテインバー」のようにスティック型になっていると、食べやすいですよね。アウェイの遠征や試合の後にバスの中で食べるのが、一番イメージがしやすいです。タンパク質がきちんと摂れて、なおかつ消化吸収も良く、しかも糖質も入っています。試合前後の栄養補給に取り入れるのはすごくわかりやすいですね。


パーフェクトプロテインバー 挑・蒲鉾の購入はコチラ
※2021年8月28日までの予約販売です。

スティック状になっていると、さらに日常に取り入れやすそうですよね。

「魚は苦手だけど、かまぼこは食べられる」という人もいるので、魚を食べる習慣をつけるための入り口としても良さそうですよね。

僕も、自分が料理を食べてもらったら、その人が興味を持ち始め、その人の意識が変わったりすることがあります。それと同じように、この商品も、多くの人が魚肉タンパク質を摂るきっかけになるといいですね。

書き手:瀬川泰祐(スポーツライター・エディター)

株式会社カタル代表取締役。HEROs公式スポーツライター。Yahoo!ニュース個人オーサー。ファルカオフットボールクラブ久喜アドバイザー。ライブエンターテイメント業界やWEB業界で数多くのシステムプロジェクトに参画し、サービスをローンチする傍ら、2016年よりスポーツ分野を中心に執筆活動を開始。リアルなビジネス経験と、執筆・編集経験をあわせ持つ強みを活かし、2020年4月にスポーツ・健康・医療に関するコンテンツ制作・コンテンツマーケティングを行う株式会社カタルを創業。取材テーマは「Beyond Sports」。社会との接点からスポーツの価値を探る。
公式サイト http://segawa.kataru.jp