魚肉たんぱく同盟コラムVol.2

魔裟斗も認めた天才・HIROYAの変化
彼がいま魚肉タンパク質を取り入れた理由

2021.05.02

K-1甲子園優勝、初代Krush-65kg級王座などのタイトルを掲げ、魔裟斗二世とも呼ばれたHIROYA選手。現役のキックボクサーでありながら、自らジムを経営し、さらにはYouTuberとしても活動するなど、幅広い分野で活躍している。デビューから15年がたち、キャリアの終盤にさしかかったいま、彼に大きな変化が起きている。食の変化だ。これまで大好物だった肉に加え、最近になってかまぼこを取り入れるようになったというのだ。過酷な減量がつきまとう格闘技の世界で、彼はこれまでどのように食と向き合ってきたのか。そして、いまなぜ、かまぼこを取り入れるのか。長きに渡り第一線で活躍してきたHIROYA選手が魚肉タンパク質の有効性を語った。

HIROYA選手プロフィール
TRY HARD GYM所属。K-1甲子園2008王者。元krush 65kg級王者。3歳から空手を学び、小学校4年生でキックボクシングを始める。わずか15歳の若さでK-1デビューを果たし、甘いマスクとその実力から「魔裟斗二世」と呼ばれ、将来を嘱望される。以降、K-1を中心に活躍。近年は総合格闘技「RIZIN」にも参戦するなど、デビューから15年が立つ今もトップ選手として活躍している。また所属するTRY HARD GYMの代表も務め、後進の育成にも力を注ぐ。

HIROYA選手は15歳でプロデビューを果たしました。これまでを振り返っていかがですか?

:K-1 甲子園での優勝、Krushの65kg級でも王者となることができました。デビューしてもうじき15年が経ちますが、現役としてのキャリアは終盤に差し掛かっていて、いまはジムの代表としての活動が中心になっています。

格闘技の試合では、契約体重で試合をするため、減量が必要だと思いますが、HIROYA選手はこれまでどのようなことを意識して食事を摂っていましたか?

:正直なところ、小・中学生の頃は特に栄養を意識することはなく、ただ出されたものを食べていました。

栄養への意識が高まったのはいつ頃でしたか?

:高校生のときです。プロデビューし、試合前の減量を経験するようになってから、徐々に意識が高まっていったように思います。どうしたら体重が落ちるのか、何を食べたら太りやすいのか、何を食べたら体重をコントロールしやすいのか、ということを自分で考えながら食事を摂るようになりました。

デビュー当時から「魔裟斗2世」と呼ばれ、世間から注目されていました。格闘技の地上波放送が全盛期だったこともあり、日本で最も有名な高校生だったかもしれませんね。ちょうどその頃から減量を経験されたということですが、減量への取り組みについて、もう少し具体的に教えてください。HIROYA選手は、試合のどれくらい前から減量を始めるのでしょうか?

:本格的な減量は、試合の4週間ほど前からスタートします。はじめは量を減らすのではなく、無駄なものを省くところから始めます。お菓子や油の多いものを省き、その後は、野菜の量を増やして、ご飯の量を少なくするようにしてゆっくりと体重を落としていきます。最近では、調理法や調味料にも注意するようになりました。薄味にしたり、油を使いすぎないように調理しながら、必要なものだけを摂るようにしています。

減量中でも、摂り続けるように意識している栄養素はありますか?

:タンパク質と炭水化物ですね。最近では減量のために炭水化物を抜く人もいますが、タンパク質を抜く人は聞いたことがありません。その意味では、タンパク質は、格闘家にとってもっとも大切な栄養素だと思います。ちなみに僕の場合は、炭水化物を抜いてしまうとエネルギー不足で動けなくなってしまうので、計量の直前までお米も摂るようにしています。

タンパク質のお話が出ましたが、HIROYA選手はタンパク質を摂るために、何を食べていますか?

:これまでは、肉ばかり食べていました。「タンパク質イコール肉」というイメージが強く、魚よりも肉を中心にして栄養を摂ってきました。ただ脂肪分の少ない部位を食べるように注意していたので、鶏の胸肉、牛肉の赤身などをよく食べていました。

格闘家はお肉が好きな選手が多いですよね。

:そうですね。知識が不足していることが多いかもしれませんね。魚でもタンパク質が摂れることや、魚が体にすごく良いことは理解しているんですが、なぜ魚が良いのかを把握しているアスリートは少ないのではないかと思います。

最近はかまぼこを食べていると伺いました。

:そうなんです。

かまぼこが、高タンパク質・低脂肪で、しかも消化されやすいという特性があることをご存知でしたか?

:今回、魚肉タンパク同盟の活動を通して、そのような知識を初めて知りました。※魚肉タンパク同盟は、サッカー日本代表の長友佑都が、天然素材で化学調味料・保存料不使用の鈴廣かまぼこを取り入れてコンディション向上を実現するという取り組み。

HIROYA選手は、現在ジムを経営されていますが、ジムにいる若い選手たちから、食事や栄養についてアドバイスを求められることはありますか?

:ありますね。特に減量の期間になると「今どのようなものを食べたらよいか」という質問をされることが多いです。

そのような若い選手たちにアドバイスを伝えなければいけない立場でもありますよね。

:はい、その通りですね。タンパク質を摂る場合、肉、卵、納豆などはイメージすることができても、魚を思い浮かべることができる選手は少ないので、魚が選択肢の一つに入るのはとても良いことだと思います。

ちなみに、HIROYA選手自身は、かまぼこをどのようにして食べていますか?

:僕はそのまま食べたり、タイ料理に入れて食べたりしています。

タイ料理というのはとても興味深いですね。

:僕は中学校を卒業した後に、タイのインターナショナルハイスクールに留学して、学業に加えてムエタイの修行をしていました。その頃の影響で今でもタイ料理が好きなんです。

何というタイ料理にかまぼこを入れて調理したのでしょうか?

:オースワンという牡蠣、卵、もやしなどの食材を炒めた料理で、「タイのお好み焼き」、「タイ風チヂミ」などと言われている料理です。いつもは牡蠣を使って作るのですが、先日は、鈴廣さんのかまぼこで代用して調理してみたところ、とても美味しく食べることができました。

鈴廣かまぼこを使ったオースワン、食べてみたくなりました。鈴廣かまぼこをそのまま食べたときとの違いは感じましたか?

:そのまま食べるのも好きですが、料理に入れると、食感にアクセントがつくのが良いなと感じました。料理の中に入れる食材としてどんな料理と組み合わせるかを考えるのも楽しいですね。しかも、タンパク質が摂れて、消化吸収も良いので、万能の食品です。

鈴廣かまぼこのぷりっとした食感には、職人さんのこだわりが詰まっています。味だけじゃないところでも楽しめるのは、減量中の格闘家・アスリートにとっても嬉しいのではないでしょうか?

:そうですね。手軽に食べられて、栄養も摂れる、なおかつ消化吸収も良い「かまぼこ」は減量との相性がとても良さそうです。僕はこれまで、減量中に栄養価が高いものを摂るときに「かまぼこ」という選択肢を持っていませんでした。もっと早くかまぼこのことを知っていれば……。(笑)

すでに引退を示唆する発言もありましたが、魚を取り入れたHIROYA選手の試合が早く見たいです。

:残りわずかですが、積極的に、かまぼこを取り入れて、試合に挑みたいと思います。また、ジムの選手たちにもこの良さを伝えていきたいですね。

書き手:瀬川泰祐(スポーツライター・エディター)

株式会社カタル代表取締役。HEROs公式スポーツライター。Yahoo!ニュース個人オーサー。ファルカオフットボールクラブ久喜アドバイザー。ライブエンターテイメント業界やWEB業界で数多くのシステムプロジェクトに参画し、サービスをローンチする傍ら、2016年よりスポーツ分野を中心に執筆活動を開始。リアルなビジネス経験と、執筆・編集経験をあわせ持つ強みを活かし、2020年4月にスポーツ・健康・医療に関するコンテンツ制作・コンテンツマーケティングを行う株式会社カタルを創業。取材テーマは「Beyond Sports」。社会との接点からスポーツの価値を探る。公式サイト http://segawa.kataru.jp