魚肉たんぱく同盟コラムVol.45

成長期の体と心を育てる ─ 長野風花が語る世界へのステップ。SGTP Jrオンライン講座イベントレポート

2025.12.08

リヴァプールFCウィメンとサッカー女子日本代表で活躍をする長野風花選手をお迎えし、Suzuhiro Gyoniku Tanpaku Jr(以下、SGTP Jrと呼ぶ)向けのオンラインイベントを開催いたしました。SGTP Jrでは、スポーツに取り組むJr.アスリート(小学生年代)を対象に、魚肉たんぱくによる体づくりのサポート、トップアスリートとの交流を通じた心の成長をサポートするプログラムです。今回は「長野風花さんに世界で活躍する秘訣を聞いてみよう」をテーマに実施し、小学生が世界へ視野を広げる、貴重な時間となりました。

長野風花 選手プロフィール
1999年3月9日生まれ、東京都江戸川区出身。身長160cm。イングランド・ウィメンズ・スーパーリーグ(WSL)のリヴァプールFCウィメンに所属するミッドフィールダーで、日本代表としても活躍している。
浦和レッズレディースで才能を伸ばし、2016年のFIFA U-17女子ワールドカップでは大会MVPを受賞。韓国、日本、アメリカのクラブを経て、2023年にリヴァプールへ移籍すると、中盤の要として存在感を確立した。正確なパスと高い戦術理解でゲームを組み立てる、日本女子サッカーを牽引する司令塔である。

 


 

――現在、長野選手が意識的に練習で取り組んでいることはありますでしょうか。
今はワールドカップ優勝を最大の目標に、守備面では、相手の選手から離れないでついていくこと、攻撃面ではボールを受けたら少しでも前に運べるように意識して練習に向かっています。また、フィジカルトレーニング、筋肉トレーニング、アジリティーを強化するステップトレーニングを継続して行っています。

――世界でプレーするために努力したことはありますか。
努力したことは、ずっと継続して練習を重ねたことですかね。その時々によって自分の課題が違ってくるので、自分のプレーをしっかり分析して、何が足りないか自分で理解したうえで、とにかく練習をたくさんしました。

――ご自身の性格は、どのような性格だと思っていらっしゃいますか?。
そうですね。本当に小さい頃からすごく負けず嫌いだなっていうのは自分でも感じています。ジャンケンで負けるのも嫌ですね(笑)練習のちょっとしたミニゲームとかでも負けるのはすごく嫌ですし、負けないために、色んなことを考えてプレーするので、アスリート向きかなとは思います。負けないためにどうするか、毎日考えていますし、負けたくない一心で常にプレーしていますね。

――ありがとうございます。試合中とか練習中に気分が落ち込んだり、イライラしてしまうことはあったりしますか?
ありましたね。まだ海外に行く前だったんですけど、やっぱり一つのミスだったりとか、チームがうまくいってない時に動揺しちゃったりとか。一つのミスをすごく考え過ぎてしまって、次に切り替えられないっていうのは、日本にいた時はすごくありました。でも、海外でプレーするようになって気づいたことがあるんですよ。海外の選手って自分が悪いプレーでも、「ネクストワン」みたいな感じです。「アンラッキー」って言って、ミスを何も気にしないんですよ。それを間近で見ていて、「あ、このメンタルすごくいいな」と思いました。ミスを気にしすぎないメンタルを外国人選手から学んでから気持ちが少し軽くなりましたね。

――チームメイトやコーチと関係性を作っていく上で、気をつけていることや心がけていることはありますか。
英語圏なので、私から英語でたくさんコミュニケーションを取りに行くっていうのは常に意識しています。小学生の皆さんの立場だと、コーチや監督には、自分が分からなかったこととか、自分がどうしたらいいかということを、聞きに行ったりするのもすごくいいと思いますし、分からないことを分からないままにしないことはすごく大事だと思います。チームメイトとは、仲良く、楽しみながらやることが一番の成長につながると思います。お互い切磋琢磨しながらプレーしてもらえばいいかなと思います。

――監督やコーチと意見が異なることや、言っていることが自分にとっては違うなとか、飲み込めないってことが小学生のみんなにもあると思いますが、そういう時はどうしたらいいと思いますか。
実際に私も海外でプレーしていますが、監督が言ってることが、自分にとっては「え?それなんで?」ってなることも出てくるんです。そういう時は絶対聞きに行くようにしてるし、自分の意見も言うことはすごく大事だと思うので。サッカーって監督の存在が大きいスポーツだと思っていて、監督が求めていることをやらないと試合には出れません。自分のやりたいことばっかりやっていても、それが監督に求められていなかったら使ってもらえない。監督とコミュニケーションを取りながら、やっていくことが大事だと思います。

――今参加している子どもたちも、将来世界で活躍したい子どもたちが多いとは思いますが、アスリートにとって英語や外国語は絶対に必要なものだと思いますか。
そうですね。私は絶対に必要だと思います。やっぱりチームメイトとコミュニケーションをとるのも監督の指示も全てそのまま英語なので。チームメイトとまずコミュニケーションがとれないと信頼されないし、パスも出してくれないし、監督の指示を理解できないと、信頼してもらえないと思うんです。英語圏だけじゃなくて、その国の言葉が必ず必要になってくるかなと思います。年齢が小さければ小さいほど吸収力も高いですし、小さい時に英語の学習をやっておけばよかったなって、本当に思います(笑)

――小学生のみんなは勉強とスポーツの両立を目指してると思いますが、小学生時代に長野選手が意識していたことはありますか。
生きていく上で勉強っていうのはある程度必要にはなってくるとは思いますけど、私の場合は、学校の後にサッカーの練習があり、帰ってくるのが遅かったんですが、睡眠時間は絶対に確保したかったんです。なので、朝にちょっと早起きして勉強をしていました。取り組んでいるスポーツの課題を解決する力をつけるためにも絶対勉強はしたほうがいいかなと思います。

――ありがとうございます。次に、睡眠や食事についてもお聞かせください。睡眠、食事や休養はとても大事だと思いますが、現在意識してることはありますか。
激しいトレーニングをした後に、たくさん食べて、とにかく寝るっていうのはすごく意識しています。連戦の時に一番疲れが取れるのって、やっぱり睡眠だと思うので。たくさん食べて寝ることを毎日意識しながら過ごしています。アスリートの中では、そんなに早い方ではないんですけど、だいたい23時前に寝ていますね。小学生時代は、バランスよく食べて、量もしっかり食べて、とにかく寝ることが一番大切だと思います。

――特に意識して摂っている食材は何かありますか?
まずタンパク質は体を回復させるためにも必要だと思うので、タンパク質ではお肉や魚をすごく意識して摂っています。あとはお米ですかね、エネルギーになるものはバランスよく意識して食べています。試合前には、普段と比べて1.5倍くらい多くお米を摂っています。試合後はタンパク質を多めで、お米は試合前よりは少なくしています。

――本日の講座についてはこれで終了となります。最後に長野さんからみんなへの激励や、本日の感想をいただければと思います。
今日は本当に楽しい時間をありがとうございました。私自身もやっぱりまだまだ成長しないといけないと思いました。今やっていることを楽しみながら目標を達成していくことが一番大事だと思うので、みんなで頑張っていけたらいいなと思います。今日は本当にありがとうございました!

清野修平
新卒でJリーグクラブに入社し、広報担当として広報業務のほか、SNSやサイト運営など一部デジタルマーケティング分野を担当。現在は、広義のスポーツ領域でクリエイティブとプロモーション事業を展開する株式会社セイカダイに所属。複数のスポーツチームや競技団体およびスポーツ近接領域の企業の情報発信・ブランディングを支援している。