魚肉たんぱく同盟コラムVol.24

“食は幸せであり、アスリートにとって武器の一つ” 「岩渕真奈選手 & 加藤シェフと学ぼう!アスリートにオススメしたいお魚たんぱくの魅力 Presented by 鈴廣かまぼこ」イベントレポート

2022.12.26

 この度、新たに鈴廣かまぼこ大使に就任したプロサッカー選手の岩渕真奈選手が10月24日、長友佑都選手の専属シェフ・加藤超也氏とともに【アスリートにオススメしたいお魚たんぱくの魅力】をテーマとしたトークイベントに登壇。海外でプレーしていく中での「食」についてのリアルなお悩みから、加藤シェフが伝えていきたい世代や性別関係なく取り入れたい食事方法などについて語ってくれた。

今回のコラムではトークイベントの中で伺った岩渕選手の海外での選手生活における「食」のリアルな悩みや、アスリートの食事への向き合い方についてお届けします。

――アスリートと「食」は切っても切り離すことのできないものだと思いますが、岩渕選手にとって「食」とはどのようなものでしょうか?

岩渕選手:
”幸せを感じられるもの”ですね。アスリートにとって欠かせないもの、という答えよりも私にとっては幸せを感じられるものかなと思います。美味しいものを食べることや、オフの時間がある時に料理をすることも楽しみの一つになっています。夕食は自炊して食べることが多いです。栄養素まで細かくは考えられていなかったりしますが、色合いや主菜と副菜のバランスなどは意識しています。同じイングランドでプレーしている長谷川唯選手と一緒にご飯を作ったり食べたりすることもあります。

――加藤シェフはいかがでしょうか?

加藤シェフ:
食には大きく2つの効果があるなと感じています。まずは岩渕選手が仰ったように「幸せ」です。アスリートは大きなスタジアムに立ち続け、試合に向けて気持ちやコンディションを整えていくために、日々のプレッシャーも大きく、過酷で精神的なストレスも感じやすい職業だと感じます。そんな日々の中で美味しい食事で幸せを感じることはとても大切なことだと思っています。自分自身、食事を提供する時も「美味しい食事」であることをテーマに置いています。

もう一つは食事は”武器”だということ。選手は怪我というリスクを背負いながら戦っている訳ですが、きちんと食にも向き合ってコンディションを整えていくことで、怪我の不安が減ると考えています。実際に長友選手も不安が減って、一つの自信になったと話してくれているように、食事は日々厳しい環境で戦うアスリートの武器になると思っています。

岩渕選手のように楽しみながら食事を作って食べるということが出来ているのは、とても素晴らしいと思いますね。

――加藤シェフが考えるアスリートと食の繋がりとは?

加藤シェフ:
6年前に長友選手の食事サポートを始めてから、今日に至るまで伝え続けている大事なことは「情報に流されないでほしい」ということ。一人ひとりの体質によって、自分に必要な食材、合っている食材は違います。まず自分自身の身体を知るということが非常に大切で、その中でどんな食材を選択していくのか、どんな料理を食べるのかを考えられるようになってほしい。

何が自分の身体に合っているのかを知るためにアレルギー検査や血糖値検査などを受けることをおすすめしていて、一度検査を受けるだけで自分の体質を知ることが出来ます。有名な選手が食べているからではなく、自分に合った食材を摂ること、自分に合わない食材を控えることをどの世代の選手にも、お子さんをサポートする保護者の方々にも伝えていきたいです。

――長友選手との食への取り組みの延長線上の出会いで、鈴廣かまぼことの取り組みがあるかと思いますが、加藤シェフと鈴廣かまぼこの取り組みの経緯や背景について教えてください。

加藤シェフ:
専属シェフとして四六時中一緒に居て長友選手をサポートする中で、唯一の課題であり、とても大きな課題は「試合やトレーニング後30分以内に自分が食事を提供することが出来ない」ということでした。

アスリートにとってゴールデンタイムである試合やトレーニング後の30分以内にどれだけ良質なタンパク質を摂るか、どれだけ良い食事をとるかということは本当に大切なことです。この課題について鈴廣かまぼこさんに相談したことが始まりで、「ぜひ解決しましょう!」と言っていただいて始まった商品開発のプロジェクトが新商品の”フィッシュプロテインバー”でした。

美味しくて毎日でも食べ続けたいと思える味と、かまぼこならではの消化性の良さを両立して、アスリートが良質なタンパク質を消化吸収できるような商品が完成したことをとても嬉しく思っています。

――岩渕選手は今回の魚肉たんぱく同盟の取り組みをきっかけとして、かまぼこに対しての印象は変わりましたでしょうか。

岩渕選手:
日本に帰国した際に、小田原にあるかまぼこの里に伺って、かまぼこの機能性や鈴廣さんのかまぼこへのこだわりについて色々なお話を聞いたのですが、その中で消化にいいということが個人的にはとても気に入りました。海外にいると日本ほど魚の種類もないですし、スーパーで意識的に魚を選ぶことはなかったのですが、魚が身体に良いことを改めて認識したことで、スーパーでも目を向けるようになりました。あと練習後のランチでは、積極的に魚を選ぶようになりましたね。

――加藤シェフの話を受けて、岩渕選手は自分の身体に合っている食材を意識していますか?宜しければ、そのきっかけも併せて教えてください。

岩渕選手:
私は19歳で海外へ行って初めての一人暮らしを経験しましたが、ドイツという慣れない環境で自炊中心の生活をして、食材の選択肢が限られていたこともあり、当時の年齢も影響して一気に太ってしまった時期があったんです。その時に他競技のアスリートの方から後天性アレルギー検査を勧めてもらって、実施したことがあります。その結果、卵と乳製品の数値が高く、自炊をする時にその2つを外すことを意識したらすんなりと痩せることができました。自分のことを知る良いきっかけだったなと感じていますし、成長期における女性の身体作りの難しさを体感する機会にもなりました。

――学生時代や若手時代の岩渕選手の食生活はいかがでしたか?

岩渕選手:
学生の時は量をなるべく多く食べることを意識していました。夜ご飯に関しては、遠方のチームに通ってたので、途中からクラブハウスで、練習後に食べれるようにはなったんですが、それまでは夜家に帰って22時ぐらいに食べる生活を中学時代はしていました。栄養について自分では意識していなかったですね。

――普段、試合当日の食事はどうしていますか?

岩渕選手:
試合の2時間〜4時間前くらいにチームで食事を食べるというルールがあります。パスタが基本で、チキンや魚、フルーツやパンケーキなどがあるんですが、私は大体うどんを選択しています。

一方で、試合後の食事の方が苦労することが多いです…。試合後にチームが出してくれる食事が自分の好みに合わないこともあり、試合後の疲労感もあいまって食欲が出ないこともしばしば。家に帰ってから簡単な食事を、自分で作って食べることも多いです。特に、アウェイの試合の時は帰りのバスで食事が出されるのですが、あまり食べられないことも多いです。

――運動前後でも美味しくたんぱく質が補給できる新商品、フィッシュプロテインバーを召し上がられていかがでしたか?

岩渕選手:
率直に美味しかったです!私はグラタンが好きなので5種のチーズの帆立グラタン風が特に好きでした。あとアクアパッツァって普段なかなか食べる機会がなく、お店に行かないと食べられないイメージなので、こんなに手軽に美味しく食べられるのは新鮮でした。イカとタコのガリシア風も美味しくて、3つとも美味しかったです。試合後も是非食べたいです!海外でいち早く、フィッシュプロテインバーが買えるようになってくれることを願います(笑)。

――岩渕選手から、加藤シェフに相談したいこと・質問したいことはありますか?

岩渕選手:
海外の選手はサプリメントを沢山摂るのですが、私はサプリメントを摂ることに少し抵抗があります。アスリートのコンディショニングを考える時、加藤シェフはサプリメントの活用についてどのように考えていらっしゃいますか?

加藤シェフ:
食事で十分な栄養が摂取できればサプリメントを摂らなくても良いというのが現時点での僕の結論です。食事によって栄養管理が出来ているのであれば、サプリメントは必要ないものだと考えています。一方で、先ほど岩渕選手が仰ったように試合後に食欲がなくて食べれなかったり、食の好みが合わずに食べられないということであれば、補助的な感覚でサプリメントに頼ることも一つの手段として良いと思います。

フィッシュプロテインバーの開発を通じて解決したかった課題として、運動後すぐに手軽に美味しく、かつ良質なたんぱく質が取りづらいということがありました。多くのアスリートは練習後にプロテインを飲みますが、本来は食事から摂るべきたんぱく質を即時に摂取するためにプロテインを飲むケースが多い。長年、その状況を解決したいと思っていました。

その場で手軽に美味しく食べられて、自然由来のたんぱく質。それが新商品のフィッシュプロテインバーです。ただ、どうしても食事で補いきれない不足しがちな栄養もあるとは思うので、アミノ酸BCAAやビタミン剤などを補助的に摂ることに関しては良いと思っています。

岩渕選手:
とても参考になりました!もう一つ、質問しても良いでしょうか?試合後、夜遅い時間に食事をとることに抵抗があるのですが、そのような時に食べると良い食事を知りたいです。

加藤シェフ:
夜遅い時間の食事に関しては、消化や吸収がしやすいものかどうかを重要視しています。先ほど岩渕選手からうどんの話が出ましたが、うどんを柔らかめに煮て、ゆっくりスープを飲みながら食べることで身体も温まって眠りやすくなりますし、それこそかまぼこなどを入れてたんぱく質を摂れるようにするのもオススメです。

これを話すと、鈴廣かまぼこさん主催のイベントだからでしょ(笑)と言われてしまいそうですが、かまぼこはお刺身よりも消化のスピードが早く、吸収率が良いことを知った時には驚きでした。なので、夜遅い時間の食事の際には、かまぼこもおすすめです。それ以外では、ご飯に卵を溶いて雑炊にすると消化しやすくなるだけでなく、たんぱく質も摂れるので良いと思います。

それと、何を食べるにしても1番重要なのはちゃんと咀嚼すること。よく噛んで、 ゆっくり食べることは、夜遅い時間になればなるほど意識してみてください。

――ありがとうございます。岩渕選手と加藤シェフのお話から、アスリートのみならず一般の方の食事情においても非常に参考になるお話を沢山聞くことができました。最後に鈴木常務、新商品フィッシュプロテインバーの良さを教えてください。

今日は岩渕選手、加藤シェフご登壇いただきありがとうございました。鈴廣かまぼこでは2年以上前から長友選手と加藤シェフとともに、魚肉たんぱく同盟の活動を推し進めており、もっと手軽に多くの人々に、お魚のたんぱく質を摂ってもらえるような啓蒙活動にチャレンジしてきました。そして今回新たに開発した商品がフィッシュプロテインバーです。高たんぱくで消化性が良く、アミノ酸スコア100。 かつ天然素材で保存料不使用で、ワンハンドで手軽に食べられる点が特徴です。

鈴廣の直売店はもちろん、オンラインショップもご用意しております。ナチュラルローソンやスーパー等でも展開を開始しておりますので、フィッシュプロテインバーを見つけたら是非手にとっていただけると嬉しいです。

――岩渕真奈選手プロフィール
1993年3月18日生まれ、東京都出身。アーセナル・ウィメンFC所属。ポジションはフォワード。小学2年生の時に関前SCでサッカーを始め、クラブ初の女子選手となる。中学進学時に日テレ・メニーナ入団、14歳でトップチームの日テレ・ベレーザに2種登録され、2008年に昇格。2012年よりドイツ・女子ブンデスリーガのホッフェンハイムへ移籍し、2014年にバイエルン・ミュンヘンへ移籍、リーグ2連覇を達成。2017年に帰国しINAC神戸レオネッサへ入団。2021年1月よりイングランド ・FA女子スーパーリーグのアストン・ヴィラLFCへ移籍。2021-22シーズンからアーセナル・ウィメンFCでプレー。日本代表では、2008年FIFA U-17女子ワールドカップでゴールデンボール(大会MVP)を受賞、世間からの注目を集めるようになる。以降、2011年女子ワールドカップ優勝、2012年ロンドン五輪準優勝を経験。今年6月に初著書『明るく 自分らしく』(KADOKAWA)を刊行。公式アプリ「MANA IWABUCHI」では岩渕真奈本人が日々の生活やサッカー観についてブログや動画で発信中。

――加藤超也氏プロフィール
1984年生まれ。2016年にサッカー日本代表長友佑都専属シェフに就任。「食べたもので体はつくられている」をポリシーに、欧州と日本を行き来しながらサポートに従事。2020年からは、「アスリート自炊力向上プログラム」として、東京五輪サッカー日本代表候補の菅原由勢選手のサポートを開始。また2020年10月よりポタージュブランド「THE POTAGE」の商品プロデュースを行い、その他企業の商品開発などにも携わっている

山本真奈
フリーランス 広報・ライター
医療機器の営業からキャリアをスタートし、これまでヘルスケア関連の事業会社で広報・PRに従事。「ひとりの人の人生がより豊かになるようなサポートをすること」が好き。